名門・日体大は73年連続箱根出場 新体制でシード権獲得目指す

[ 2020年10月17日 13:30 ]

第97回東京箱根間往復大学駅伝予選会 ( 2020年10月17日    東京・陸上自衛隊立川駐屯地 )

スタートする各大学の選手たち(代表撮影)
Photo By 代表撮影

 日体大は10時間30分49秒で6位となり、73年連続73回目の本大会出場を決めた。伝統校としての威信を守り、嶋野太海主将(4年)は「日体大の伝統あるユニホームを着て走る以上は予選通過が至上命題。プレッシャーをモチベーションに変えてレースに臨めた。部員70人全員でつかんだ6位」と安どの表情を見せた。

 今年7月に高校女子駅伝の名将で日体大OBの玉城良二監督(59)が就任。新チーム発足からわずか3カ月という短期間で結果を出した。18年に当時の監督がパワハラで解任されてから約2年間は駅伝専門の指導者が不在の中、選手主体で取り組んできた日体大。その体制は維持しつつ新指揮官の知識と経験がプラスされ、嶋野は「監督が指針を示してくれることで、自分たちが信じる方向性が決まった。何のために練習をやっているのか、どういう意図があるのか。監督がいて引き締まった」と強調。そんな教え子たちに、玉城監督は「キャプテンを中心に学生の意識が高く自分たちで活動できるチームだったので、私の苦労はありませんでした」と目を細めた。

 短い時間でチームを一つにすべく、夏場は50日間の合宿で徹底的に強化した。30キロ走6本など距離を走り込み、朝と夜はミーティングで「日体大というチームがどうあるべきか話し合ってきた」(嶋野)。今回の予選会チームトップの7位に入った池田耀平(4年)は「個人的には4年間で一番良い合宿になった」と振り返り、「夏場にしっかり走り込みができたから、主力選手を欠いた中でもそれをカバーできる戦力をそろえることができた」と効果を実感した。

 前回大会の本戦は9区から10区の鶴見中継所で無念の繰り上げスタートとなり、伝統のたすきが途切れた。責任を感じたという嶋野は「今年の1月にシード権獲得を掲げて、(コロナの)自粛期間を挟んでも目標は変わらずやってきた」と大一番へ力を込める。新生・日体大が雪辱を果たす舞台は整った。

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2020年10月17日のニュース