新大関・正代 5分間転がされっ放し“白鵬流お祝い”に「うれしかった」

[ 2020年10月17日 05:30 ]

白鵬(左)はぶつかり稽古で新大関・正代に胸を出した
Photo By 代表撮影

 大相撲11月場所(11月8日初日、両国国技館)に向けた合同稽古が16日、東京・両国国技館内の相撲教習所で始まり、新大関・正代(28=時津風部屋)ら関取9人が参加した。正代は相撲を取る稽古を再開したばかりで、大関・貴景勝(24=千賀ノ浦部屋)らとの稽古では5勝9敗と精彩を欠いたが、ぶつかり稽古では横綱・白鵬(35=宮城野部屋)から胸を出してもらうなど“祝福”を受けた。

 出稽古希望者による異例の合同稽古の主役は、やはり新大関だった。仕上げのぶつかり稽古では白鵬から真っ先に声を掛けられた。5分にわたり“ぶつかっては転がされる”が繰り返されたが、必死に食らいついた。正代が初優勝した秋場所を全休した大横綱からの手荒い祝福。直接、言葉も掛けられ「“おめでとう”と言っていただいたのがうれしかった」と看板力士の実感をかみしめた。

 新型コロナウイルスの影響で春場所後は出稽古禁止となり、他の部屋の力士との稽古は約7カ月ぶり。15日に相撲を取る稽古を再開したばかりで「すぐに息が上がってしまう」とあって、立ち合いから圧倒する内容は影を潜めた。貴景勝に負け越しただけでなく、霧馬山、碧山、逸ノ城にも敗れた。それでも「いい稽古ができた。まだ体が動いていないので、ここから徐々に動いて大関としてちゃんと稽古ができたら」と納得した。

 時津風部屋は、時津風一門の横綱・鶴竜だけでなく、白鵬や大関時代の高安、朝乃山、照ノ富士らも出稽古に来ていた。正代は稽古場でこてんぱんにされることが多かったが、上位の実力を肌で感じることで成長した。だからこそ「出稽古の良さを実感した。部屋の稽古では体験できない違った緊張感もあるので、いい刺激になる」と合同稽古の意味を理解している。

 合同稽古は19日の休みを挟んで22日まで行われる。「まずは本調子に戻して。ケガをせずに1週間全て参加できたら」。稽古で強くなった新大関は、やはり稽古で鍛えていく。

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