羽生、初の4回転5本成功も銀 25歳誕生日につかんだ手応えと課題「今に見ておけ」

[ 2019年12月8日 05:30 ]

フィギュアスケートGPファイナル最終日 ( 2019年12月7日    イタリア・トリノ )

表彰式で会場に手を振る羽生結弦(撮影・長久保 豊)
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 男子フリーが行われ、SP2位からの逆転を狙った羽生結弦(25=ANA)は194・00点で2位、合計でも291・43点で2位だった。フリーで自身初の4回転5本を成功させる意地を見せたが、最後の3回転半が抜けるミスが出た。SP首位のネーサン・チェン(20=米国)がフリー224・92点、合計335・30点といずれも自身の世界最高得点を更新し、3連覇を飾った。

 死力を尽くした羽生は、その場に崩れ落ちた。「Origin」の力強い旋律が終わる。フィニッシュポーズすら決められず、銀盤にうずくまる。いつもは心地よいプーさんシャワーすら見る余裕がない。結果は2位。悔しさと同時に、新たな闘志に火が付いた。「旧採点の点数まで抜かれて、めちゃくちゃ悔しい。今に見ておけと思っている」。そして自らに視線を向けた。「もっと強くなんなきゃ!」

 だが、羽生結弦との闘いには勝った。自身初の4回転4種5本構成に、3回転半―3回転半の新コンビネーションも予定に組み込む逆襲のプログラムで賭けに出た。冒頭のループ、17年ロシア杯以来封印していたルッツに成功。連続技でミスが出た上に終盤の3回転半で回転が抜けたが、意地で4回転5本を決めた。「1歩、強くなれたんじゃないかな」。すがすがしい表情で笑った。

 ライバルとの頂上決戦が、何度も勝負師の本能を突き動かす。チェンと12・95点差をつけられたSP後、腹をくくった。「ここで何かを成し遂げたい」。やられたままでは終わらない。合計点で43・87点差まで広がったが、何か爪痕を残すのが羽生結弦の流儀だ。「ショートのミスがあってこそのフリーの挑戦」。胸を張った羽生は言う。「いろいろと考えさせられ、いろいろ必要なものが見えている」。極限の戦いがまた新たな気づきを与えてくれた。

 今月18日から始まる全日本選手権(代々木)を経て、通算4勝4敗で五分となったチェンとの再戦はいずれ訪れる。「全日本は調整していっぱいいっぱいだと思う」。今後の見通しを語った羽生だが、今後SPで大技ルッツやループを組み込む可能性を示唆した。「今回の点差はそんなに遠くない」。強気な姿勢で、何度も壁を打ち砕いてきた。

 7日は25回目の誕生日。11歳の頃、テレビで見た06年トリノ五輪に心躍らせた男は、その会場で悔しさを持ち帰る結果となった。これから、どんな一年にするか。五輪連覇の男は力強く言った。「勝ちます!」。不屈の男のチャレンジが、再び始まろうとしている。

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