紀平 転倒5位 SP世界最高点更新もフリー3回転半でまさか…

[ 2019年4月14日 05:30 ]

フィギュアスケート世界国別対抗戦最終日 ( 2019年4月13日    福岡市・マリンメッセ福岡 )

<世界フィギュアスケート国別対抗戦第3日>女子フリー、演技を終え手を合わせる紀平梨花(撮影・小海途 良幹)
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 女子フリーの紀平梨花(16=関大KFSC)は138・37点で5位だった。大技のトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)に失敗したことが響いた。坂本花織(19=シスメックス)は146・70点で3位。日本は合計104点の2位で連覇を逃した。男子で稼いだ米国が、117点の圧勝で2大会ぶり4度目の優勝を果たした。

 紀平の体が悲鳴を上げていた。前日に「足に力が入らなかった」と疲労が表面化。一夜明けても劇的な改善はない。シーズン最後のフリーは最初のトリプルアクセルを転倒。2本目も同じ大技を予定していたものの、「決める自信がなかった」と、2回転に落とした。SPで世界最高点を更新したエースがまさかの5位に沈んだ。

 「力を振り絞ったけど、もっともっといい演技がしたかった」

 GPファイナルを制した輝かしいシニア1年目が終わった。活躍の場さえ保証されていなかった開幕前。昨季は結果を残せず、もう1年ジュニアで戦う可能性があった。

 一昨年の12月、両親を交えて日本連盟幹部と会談した。ジュニアに残るか、下からはい上がる必要があるシニアに進むか。母・実香さん(47)の意思は固かった。「私たちは絶対にシニアで、と思っていました」。北京五輪で金を獲るために、早く世界へ出るべきだと考えていた。

 昨年7月のNHK杯選考会が、はい上がるための大事な一戦。試合前、母は「これに落ちたら何のためにシニアに上がったのか分からない」と娘の尻を叩いた。練習で精彩を欠いた娘に、思いが伝わった。「朝は調子が悪くて不安だったけど、本番に合わせられた」。トリプルアクセルを決めて突破。11月の本大会では優勝した。快進撃が始まったのは、そこからだ。

 代名詞の大技は完璧だったわけではない。SP、フリー合計3本を全て成功させた国際大会はなかった。「この試合の反省を踏まえて、もっともっと強くならないといけない」。来季は4回転にも挑む。16歳の伸びしろは大きい。

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