渡辺NBAデビュー 歴史的2得点2リバウンド 田臥以来日本人2人目

[ 2018年10月29日 05:30 ]

NBA   グリズリーズ117―96サンズ ( 2018年10月27日    テネシー州メンフィス )

NBAデビューを果たしたグリズリーズの渡辺(AP)
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 NBAグリズリーズの渡辺雄太(24)が27日、本拠地テネシー州メンフィスでのサンズ戦で初めて出場選手登録され、途中出場した。第4クオーターの残り4分31秒から出場。2得点、2リバウンドを記録し、117―96の勝利に貢献した。下部チームのハッスルに所属しながらNBAに45日間昇格が可能なツーウエー契約を結び、開幕5試合目でデビュー。日本人としては04年にサンズでプレーした田臥勇太(栃木)以来、14季ぶり2人目の快挙となった。

 ついに夢を実現させた。渡米してから5年。厳しい競争を勝ち抜いた者だけが立てるNBAのコートに足を踏み入れた渡辺は「誰よりも努力したと胸を張って言える。どんなにしんどい時も、逃げることなく乗り越えてきた」。英語とバスケットボール漬けの毎日を過ごし、歴史の扉をこじ開けた。

 25点リードの残り4分31秒から出場。自ら獲得した2本のフリースローを確実に決めるなど2得点2リバウンド。「2本しっかり決められて良かった。出るだけと、小さな数字でも残すのとでは変わってくる」と笑顔を見せた。

 身長2メートル6。日本では「センター」、米国でも一般的には「フォワード」のサイズだが、グリズリーズでの登録は「ガード」。多彩なスキルの原点は少年時代にある。実業団の熊谷組でプレーした父・英幸さん、名門シャンソンの主力だった母・久美さんのもとで、小1から競技を開始。毎朝6時から英幸さんと練習を行い、ボールハンドリングを徹底的に磨いた。利き手ではない右は左の2倍の練習量をこなし、小2の頃には「NBAに行きたい。レーカーズに入る」と公言するようになっていた。

 香川・尽誠学園高から米ジョージワシントン大に進み、5月に卒業。下部チームのハッスルに所属しながら、NBAに45日間昇格が可能なツーウエー契約を結び、開幕後はハッスルのキャンプに合流していた。昇格の可能性が伝えられたのは23日で、正式通達は26日夜。「実感が湧いたのは試合前のロッカールームに自分のユニホームがかかっていた時」と振り返った。

 NBAでプレーした日本人は田臥以来、14季ぶり2人目。米留学の背中を押してくれた尊敬する先輩に続いたが「0を1にするのと、1を2にするのでは全然、難しさが違う。田臥さんの凄さを改めて感じた。あくまでスタートライン。これからいろいろな思い出をNBAの舞台でつくりたい」と満足はしていない。次回のNBAでのプレーは決まっておらず、今後は流動的。新たな歴史を刻んだが「ローテーション入りするのが目標」と歩みを止めるつもりはない。

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2018年10月29日のニュース