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フランス・エムバペ異次元2発!2大会で早くもメッシに並ぶ9得点 連覇へ次戦はイングランドと

[ 2022年12月6日 03:45 ]

FIFAワールドカップカタール大会決勝T1回戦   フランス3ー1ポーランド ( 2022年12月5日    アルトゥマーマ競技場 )

<フランス・ポーランド>ジルー(手前)の先制点をアシストし、雄たけびを上げるエムバペ(AP)
Photo By AP

 62年大会のブラジル以来60年ぶりの連覇を狙う前回王者フランスは4日、ポーランドとの決勝トーナメント1回戦を3―1で制して8強に入った。2得点1アシストのFWキリアン・エムバペ(23)が今大会5得点としてチームをけん引した。フランスは10日の準々決勝でイングランドと対戦する。

 圧倒的な個の力でゴールをこじ開けた。エムバペだ。1―0の後半29分、カウンターからフリーになってゴール左前でボールを受けると、右足で鋭い一撃を左上にズドン。アディショナルタイムにはワンタッチでボールの位置をずらしてコースをつくり、右上に狙い澄ましたシュートを打ち込んだ。いずれも強い体幹と足腰のバネを感じさせる力強い一撃。文字通り相手をねじ伏せるゴールだった。

 「難しい試合だったけれど、重要な場面で得点できた」。結果的に3―1となったものの前半は相手のプレスにてこずる難しい時間帯もあった。そこでも違いをつくったのは若きエースだ。左サイドを爆発的なスピードで何度も脅かし、相手守備陣の消耗を誘うと前半44分に自身は引いた位置でゴール前にスペースをつくり、飛び込んだジルーに絶妙なスルーパス。突破口を切り開く先制点を呼び込んだ。

 19歳で4得点して優勝を支えた18年ロシア大会から4年。バロンドール(世界最優秀選手)に選ばれたベンゼマを欠くが、影響を感じさせない存在感でフランスを引っ張っている。23歳、出場2回目にしてW杯通算9得点は早くも8点のC・ロナウド(ポルトガル)をかわし、メッシ(アルゼンチン)に並んだ。最多16点のクローゼ(ドイツ)さえ近い将来に追い抜くことは間違いないと思わせる。

 今大会、ここまで取材を断ってきたエムバペ。「余計なことに力を使いたくなかった」と話し、1次リーグ2回のマン・オブ・ザ・マッチ選出後の取材拒否が罰金を伴うと知ると「それはフランス連盟ではなく自分で支払う」と苦笑いし、胸の中の思いを吐き出した。

 「唯一の目標はW杯制覇。MVPも得点王も獲れればハッピーだろうけど、ここに来た目的ではない。W杯に勝つために来たんだ」
 野望の実現まで3試合。立ち止まらない。

 ◇キリアン・エムバペ 1998年12月20日生まれ、パリ出身の23歳。モナコ下部組織出身で15年に16歳でプロデビュー。17年パリSGへ期限付き移籍し、18年完全移籍。移籍金は史上2位の1億8000万ユーロ(当時約234億円)。昨季まで4季連続リーグ得点王。17年に18歳でA代表デビューし18年W杯は大会2位の4得点で優勝に貢献。国際Aマッチ63試合33得点。1メートル78、78キロ。利き足は右。

 ≪ジルー仏代表52点目 アンリ超え最多得点更新≫ジルーがフランス代表最多得点記録を更新した。前半44分にエムバペのスルーパスに抜け出し、ゴール左前からノールックの左足でゴール右隅に先制点。ティエリ・アンリの記録をかわす通算52点目を決め「子供の頃の夢がかなった」と息をついた。全7戦に出場しながら無得点だった前回ロシア大会から一転、ベンゼマ離脱で先発に繰り上がった36歳は今大会3得点。「このチームで可能な限り遠くまで行きたい」と連覇を見据えた。

 ≪GKロリス 仏代表最多タイ142戦出場≫GKロリスは2つのフランス代表最多記録に並んだ。142試合出場はFWマルクス・チュラムの父リリアン、W杯出場17試合はアンリとバルテズに肩を並べた。いずれも自国開催で優勝した98年W杯メンバー。08年に代表入りした35歳の守護神は「大会が終わってから記録の凄さを実感すると思う」と語った。ベテランと若手がかみ合ったチームは連覇に前進。「真の連帯がある。一言で言うならリスペクト。我々は一つ」と力を込めた。

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