水卜麻美アナ 今は亡き先輩アナの神がかり的実況「横に座っていて涙が止まらなかった」

[ 2023年5月3日 22:02 ]

日本テレビ・水卜麻美アナウンサー
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 日本テレビ水卜麻美アナウンサー(36)が、3日放送のNHK「アナテレビ」(後7・30)に出演し、今は亡き先輩アナウンサーの神がかり的な実況ぶりを振り返った。

 テレビ放送開始70年の今年、テレビを通じ言葉を伝えるアナウンサーが紡いできた言葉について、各局を代表するアナウンサーたちが局の垣根を越えて語り合う番組。他にNHK高瀬耕造アナ(47)、TBS安住紳一郎アナ(49)、フジテレビ伊藤利尋アナ(50)、テレビ朝日の大下容子アナ(52)、テレビ東京の松丸友紀アナ(41)が出演した。

 水卜アナが挙げたのが、プロ野球の巨人戦や箱根駅伝など、スポーツ中継で知られた故・河村亮アナ。番組でも、「山の神」今井正人の快走を「山の神、ここに降臨!その名は今井正人」と実況するシーンや、青山学院大の走りに弱小だった時代の選手のエピソードを当てるなど、深い取材に裏打ちされた名実況ぶりを紹介した。

 水卜アナはかつて、河村さんのサポート役で箱根駅伝の中継車に同乗。その際、河村さんの驚くべき実況スタイルを目の当たりにしたという。「トップを中継する1号車、隣に座らせてもらったことがあって、1キロのラップを伝えたりする役割だったんですけど。その中で、どういうふうに実況しているんだろうと。ここに文章で書いてあるとかが一切なくて、そらだったんです」。まさかの裏事情を知ったMCの「極楽とんぼ」加藤浩次は「そらで言っているってことですか?すげえ~!」と絶叫した。

 青山学院大の実況は、無駄になる可能性が高い取材の内容も頭の中にインプットしていた、河村さんの努力のたまものだった。水卜アナは、「あの実況も、その前の何十年の取材の積み重ねがあるからできることで、毎年毎年、青山学院大学が予選会に落ちていたころから、いつか来るかも知れないと取材したものが全部、体の中に入っていて」と推測。「たぶん河村さんにだけ、監督さんが伝えている、大事なことがある。だからこそ、急に何かが起きたら、それもすぐに実況できる準備はできているのに、頭の中にフィニッシュ地点ピッタリの実況が全部、浮かんでくるんだろうと思って。私は横に座っていて涙が止まらなかった。すごすぎて」と振り返った。

 河村さんは昨年5月、脳出血のため死去した。54歳という若さだった。水卜アナは「これからも“あの時、どうしていたんですか?”と今後、うかがうことができないのがすごく悲しい」と寂しそうに語った。

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