藤井王将、先勝 王に逃げ道確保 現代将棋らしい布陣…終盤に本領、最年少7冠へ視界良好

[ 2023年4月7日 04:45 ]

感想戦を行う藤井王将(右)と渡辺名人(撮影・村上 大輔)
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 将棋の第81期名人戦7番勝負(毎日新聞社、朝日新聞社主催)第1局は6日、東京都のホテル椿山荘東京で第2日を行い、後手の挑戦者・藤井聡太王将(20)=竜王、王位、叡王、棋王、棋聖含む6冠=が110手で渡辺明名人(38)に先勝した。

 混戦をわずかに抜け出してからが藤井の独壇場だった。「全体的に自信ない局面が多かったんですが、終盤はこちらの居王が王手のかかりづらい形になり、それを生かすことができました」の言葉通り、初期位置にでんと構えた自身の王様が動いたのは最終盤の92手目。王を囲うより逃げ道を広く確保する現代将棋らしい布陣が、初舞台の名人戦でも威力を発揮した。

 渡辺とは2、3月の棋王戦5番勝負でも対戦したばかり。ただし全局が角換わりで、今回は先手の渡辺に自身の得意戦型を拒否される意外なスタートは「予想していなかった」と言う。だが相手のいかなる出方にも柔軟に対応する「リアクション芸」を演じさせれば天下一品。じわじわと差を広げる典型的な勝ち方だった。

 「初めての持ち時間9時間は8時間と違う。そのあたり次局以降に生かしたい」。勝利にもかかわらず内容も貪欲に追い求める。史上最年少6冠に今のところ死角は見当たらない。(我満 晴朗)

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