宮原華音 キックボクサーデビュー前に忍者役 「女性らしい一面を感じてほしい」

[ 2023年4月7日 08:30 ]

映画「妖獣綺譚 ニンジャvsシャーク」のポスターの前でポーズをとる宮原華音
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 【牧 元一の孤人焦点】14日公開の映画「妖獣奇譚 ニンジャvsシャーク」(坂本浩一監督)に出演したアクション俳優の宮原華音(26)がインタビューに応じ、「私の女性らしい一面を感じてほしい」と胸の内を明かした。

 江戸時代の人里離れた村を舞台に忍者や邪教集団、そして巨大ザメが戦う奇想天外の物語。宮原が演じる忍者・菊魔は、愛憎半ばの相手・小太郎(平野宏周)を探し求めて村にやって来る。

 切れ味の良いアクションが見どころ。小学生の時に全国大会で優勝したこともある空手の経験が撮影で生かされている。

 「空手でもスピードで勝ってきました。私の強みは本当に試合で戦った経験があることだと思います。試合で相手に勝とうとする動きを十数年間やってきたので、ほかの人には負けないという自信があります。撮影では切れのある動きを意識しましたが、後で自分の映像を見て『凄く動けてる!』と実感しました」

 中学3年生だった2011年に「三愛水着イメージガール」に選ばれたのが芸能界入りのきっかけ。14年公開の映画「ハイキック・エンジェルス」に初主演し、アクション俳優の道を歩き始めた。

 「小学4、5年生の頃から身長が160センチくらいあって、周りから『モデルになれば』と言われていました。雑誌の読者モデルに応募して現場に行ったら『格好いいね』とほめられましたが、その後、母と相談して三愛水着イメージガールになれなかったら芸能界はあきらめようと思っていました。ハイキック・エンジェルスに出たのは、武田梨奈さん主演の映画『ハイキック・ガール!』(09年)を見た衝撃をツイートしたら西冬彦監督から『アクションの練習をしてみない?』という返信が届いたのがきっかけでした。空手をやっている子たちが集められて、みんな強くて、撮影も痛くて大変だったけれど、私の居場所はここだ!と思いました」

 昨年4月からキックボクシング興行「RISE」のラウンドガールとしても活動。自身もキックの練習を始め、今月21日に東京・後楽園ホールで行われる「チャレンジマッチ・フライ級3分2R・金子久美子戦」でデビューする予定だ。

 「格闘技が大好きで、もっと選手のことを知りたいと思って練習を始めたら、RISEの伊藤隆代表から『試合に出なよ』と勧められました。私がやっていた空手とキックは技術的に全く別物で、蹴りの軌道なども違うので、難しさがあります。ただ、振り返ってみると、私は小学生の頃がいちばん頑張っていたという思いがあるんです。あの頃は毎日、学校に行って勉強して、友だちと全力で遊んで、放課後に空手の練習をやって、夕飯を食べたらまた午後10時くらいまで練習をして次の日の朝は午前6時に起きて…。そんなストイックな生活をしていたんです。高校の時も始発で登校して朝練する毎日でしたし、役者になってからも日本体育大学に通っていたので、私にとって両立は特別なことではないんです。キックボクシングの試合を見てくれた人が『私も、もっと頑張れるかも…』と思ってくれたらうれしいです」

 そんな強者が活躍する映画「ニンジャvsシャーク」だが、物語の中で、登場人物の女性と唇を合わせるシーンがポイントの一つになっている。

 「これまでキスシーンの経験がほぼないので、緊張しました。相手役の桝田幸希さんと仲良くなっていたので、抵抗はありませんでしたが、あのキスは好きという気持ちでするわけではないので、難しかったです。坂本監督に『洗面器に顔をつけるわけじゃないからね』と注意されたりして何回もNGを出しちゃいました。この作品はアクションを大切にしたのと同時に、女性に共感してもらえることを意識して演じました。私はこれまでずっと少年のように明るく元気な役をやってきて、今回の役がいちばん女性らしいですし、大人っぽくなった私を見ていただけると思います」

 役者としても、キックボクサーとしても、先行きが楽しみだ。

 ◆牧 元一(まき・もとかず) 編集局総合コンテンツ部専門委員。テレビやラジオ、映画、音楽などを担当。

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2023年4月7日のニュース