大島渚監督 没後10年企画、45作品回顧上映 4・11から国立映画アーカイブ小ホール

[ 2023年3月7日 16:00 ]

大島渚監督
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 「愛のコリーダ」や「戦場のメリークリスマス」などの作品で海外にも知られた大島渚監督の没後10年を記念した企画上映が4月11日から5月28日まで、東京・京橋の国立映画アーカイブ小ホールで開催される。

 1月15日が命日。その名も「没後10年 映画監督 大島渚」と題された特集は「青春残酷物語」(1960年)や「日本の夜と霧」(60年)、自ら興したプロダクション「創造社」で発表した「絞死刑」(68年)、「少年」(69年)、「儀式」(71年)など45作品が回顧上映される。

 注目されるのが、大島監督が手掛けた最初で最後の連続テレビドラマ「アジアの曙」全13話(64~65年、TBS)の一挙上映。大正の初め、中国大陸に渡って袁世凱を打倒する第二革命に参加した唯一の日本人・中山峯太郎を主人公にした群像劇だ。ソフトや配信がなく貴重な上映機会となる。

 開催中の4月11日には午後3時の「少年」上映回に妻で女優の小山明子(88)、午後6時半の「わが映画人生 黒澤明監督」上映回に次男の大島新監督(53)、4月15日は午後3時半の「御法度」上映回に映画監督の成田裕介監督(69)のトークショーも予定されている。成田監督は「御法度」で大島監督から請われて監督補を務めている。いずれも聞き手は映画評論家の樋口尚文氏(60)が務める。

 さらに上映特集と連動する形で4月11日から8月6日まで、アーカイブ7階の展示室で展覧会も開催される運び。大島監督が自ら体系的に遺した膨大な資料から映画人生を貫く挑戦的な知性と行動を浮き彫りにしていく。

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