鶴嶋乃愛 初主演ドラマで「妖艶」表現 「目的への貪欲さは私に似ている部分」

[ 2022年12月12日 07:33 ]

晴れ着姿で「妖艶」を表現した鶴嶋乃愛
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 【牧 元一の孤人焦点】俳優でモデルの鶴嶋乃愛(21)が来年1月5日スタートのMBSのドラマ「あなたは私におとされたい」(木曜深夜0・59、テレビ神奈川やチバテレビなどで順次放送)で初主演する。

 インタビューに応じた鶴嶋は「お話をいただいて、うれしいという思いと、主人公は作品のイメージにいちばん関わってくるので責任を感じました。精いっぱい演じるのはもちろんですけど、座長として、現場の雰囲気を柔らかく楽しいものにしたいと思って撮影に臨んでいます」と語る。

 特撮ドラマ「仮面ライダーゼロワン」のヒロイン・イズ役で注目されてから約3年。演じる役柄に没頭するだけでなく、周囲に気を配れるようになったところに役者としての成長が感じられる。

 「今回は年上の方が多い現場なので、みなさんに優しく接していただいています。私は人見知りなので、なかなか自分から話しかけるのは大変なんですけど、なるべくスタッフのみなさん、キャストのみなさんとコミュニケーションをとるようにしています。『最近食べたおいしいものは何ですか?』とか質問しています」

 ドラマは配信サービスで連載中の漫画が原作。「絶対に不倫しない男」と「絶対に不倫させる女」が理性と誘惑の攻防を繰り広げる不倫サスペンスだ。

 「私は不倫を肯定しませんが、フィクションだからこそ、みなさんに楽しんでいただきたいです。原作を読んだ人の感想を拝見したら『読むとモヤモヤしちゃうけど、どんどん続きを読んでしまう』という声もあって、それは分かる気がします。自分にない人生だから、のぞきたくなるのだと思います。ドラマはオリジナルストーリーも織り交ぜられていて、嫌らしくなり過ぎたり痛くなったりしないように、実写になじむように、脚本を書いてくださっています」

 演じる主人公の姓名は「立花ノア」。偶然にも自身の名前と同じだ。

 「オファーをいただいた時に『偶然ですが…』と言われて、ちょっと運命を感じました。現場でも『ノアちゃん』と呼ばれると、呼ばれ慣れているので、より現場に溶け込みやすかったです。『ノアちゃん』と言われると自然に距離も縮まるので、うれしいです」

 ノアは証券会社の支店に配属された新入社員。妻と仲が良いことで知られる、もう1人の主人公・相澤直也(村井良大)を誘惑し、断られ続けても執念深く迫っていく。

 「監督からは『小悪魔さと純粋さの融合』と言われました。ノアはピュアなふりをして裏でいろんな計算をしていて、かわいい声で『え、分かりません、それ』と言ったかと思うと、いきなり相手に近づいていったりします。そこが相手を落とす魅力になっているんじゃないでしょうか。表情が結構くるくる変わるので、見ていて飽きないと思います」

 役柄は「妖艶」という設定。今春のドラマ「恋に無駄口」で「ツンデレ」のキャラクターを演じた際には「私自身は普段ツンデレした記憶がない」と話していたが、「妖艶」はどうか。

 「妖艶はどうでしょう…(笑)。でも、ツンデレより演じやすいかもしれません。ノアは、なりたい自分像や目的がはっきりしています。目的に向かって貪欲になる感じは私自身に似ている部分の一つだと思います。妖艶という部分では、先日、スタッフさんに『撮影を重ねるごとに画面に映った時の小悪魔ぶりが増している』と言ってもらいました。私自身も徐々にノアらしさをつかめているんじゃないかと思います」

 誘惑する相手・直也を演じる村井良大とは初共演。村井は現在34歳で、これまでドラマ「風魔の小次郎」や映画「ドクムシ」などに主演している。

 「村井さんは『浮気』の『う』の字もないような方で、本当に役にぴったりです。気さくな方で、私と年齢が一回り以上離れているのに、小娘の私の話題に乗ってくれます。ディープなシーンを撮影する直前まで2人でキャッキャキャッキャと話していて、お芝居の相談もしやすいです」

 初主演ドラマで幕開けとなる来年は、今年以上に実りの多い1年になりそうだ。

 「素晴らしいスタートを切らせていただきます。さらに鶴嶋乃愛をいろんな方に知っていただけるように、表現の幅を広げていけるようにしたいです」

 鶴嶋と言えば、読書を趣味とする文学女子。「表現の幅」という点では、内々に書き進めていることを以前に明かしていた小説の行方も気になる。

 「ちょっと企んでいますので、楽しみにしていてください(笑)」

 2023年も、目が離せない1年になりそうだ。

 ◆牧 元一(まき・もとかず) 編集局総合コンテンツ部専門委員。テレビやラジオ、映画、音楽などを担当。

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