藤井王将、最年少名人へA級前半戦の山場 2期連続挑戦の斎藤八段戦

[ 2022年10月12日 12:25 ]

斎藤慎太郎八段(右)とのA級順位戦4回戦に臨んだ藤井聡太王将(日本将棋連盟提供)
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 藤井聡太王将(20)=竜王、王位、叡王、棋聖含めて5冠=が12日午前10時、地元・名古屋将棋対局場で第81期名人戦A級順位戦の4回戦に臨み、斎藤慎太郎八段(29)と対局した。3回戦までの成績はともに2勝1敗。先手はあらかじめ斎藤に決まり、戦型は角換わり腰掛け銀へ進んだ。

 藤井には今期、谷川浩司十七世名人(60)が1983年に達成した21歳2カ月での最年少名人の記録更新が期待される。ただ、そのチャンスは今期のみ。斎藤はここ2期連続の名人戦挑戦者で、挑戦権争いの前半の山場を迎えた。

 棋士10人が総当たりで9局ずつ指し、来春開催の名人戦7番勝負で渡辺明名人(38)=棋王との2冠=への挑戦権を争うA級。すでに全勝は消え、6人が2勝1敗で並んでいたが前日11日、その1敗対決があり、広瀬章人八段(35)が稲葉陽八段(34)に勝利し、ただ一人3勝1敗と星を伸ばした。

 斎藤が39手目に仕掛けた。藤井が居飛車を4筋へ移動させたのを見て、右桂をその4筋へ跳ね出した。藤井の左銀を退却させると端歩などを突き、さらに右桂を成り捨てて王手をかけた。藤井陣にできたスキへ角を打ち込んで飛車香両取りをかけて馬を作って香も獲った。

 昼食休憩の局面は駒の損得なしで斎藤が馬を作り、攻勢をかけている。昼食はともに中華弁当(酢豚)。持ち時間6時間で藤井が40分、斎藤は48分消費した。深夜終局予定。

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2022年10月12日のニュース