藤原さくら ドラマ「束の間の一花」ヒロイン 「今までに見せたことのない姿を」

[ 2022年10月12日 08:00 ]

ドラマ「束の間の一花」のヒロイン・千田原一花を演じる藤原さくら(C)日本テレビ
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 【牧 元一の孤人焦点】シンガー・ソングライターで俳優の藤原さくら(26)が17日にスタートする日本テレビのドラマ「束の間の一花」(月曜深夜0・59)でヒロイン・千田原一花役を演じる。

 ドラマのヒロインは2016年の俳優デビュー作「ラヴソング」以来、約6年ぶり。インタビューに応じた藤原は「確かに、『ヒロイン』というと、重荷ですよね」と笑みを浮かべつつ、「でも、一花ちゃんは自分が抱えている状況の中で好きな人ができて、ひたむきに、どう毎日を楽しく過ごそうかという等身大の女の子なので、気負わずに演じることが大事なのかな、と思っています」と話す。

 ドラマはタダノなつさんの漫画が原作で、大学の哲学講師・萬木昭史(京本大我)と新入生・一花の束の間の恋物語。2人は出会って距離を縮めていくが、一花は3年前に「余命2年」と宣告されており、萬木もある日、余命宣告を受けて大学を辞職することになる。

 「1、2年前に電子書籍で原作の漫画を読んで、友だちにLINEするくらい良い作品だと思っていました。一花ちゃんは、漫画を読んだ時には自分とかけ離れたキャラクターだと思ったんですけど、ドラマの台本を読むと、私に寄せて書いていただいたようなところも感じられて、そこまで遠いキャラクターではないかも、と思っています。好きだということが完全に相手に分かるような話し方をしたり、面白いことをたくさん言ったりするキャラクターなので、できるだけ自分の要素も入れながらお芝居ができたらいいな、と思いながらやっています」

 一花は余命宣告を受けてはいるものの、普段は元気で明るい女性。大学初日に親切にしてくれた男性が萬木だと知ると萬木の講義を選択して距離を近づけていくなど、恋に関して積極的な印象だ。

 「『一花ちゃん、結構行くなあ…』と思いますね。でも、萬木先生のことをもっと知りたいという一花ちゃんの好奇心を感じるのでやりやすい。キュンキュンして話せない方が難しいような気もします。恋をしている時の自分を召喚して演じています」

 萬木役の京本とは初共演。物語の設定では萬木が30歳で一花が19歳だが、実際は京本が27歳で藤原が26歳と、1歳しか違わない。

 「だいぶ年上の人だと意識して演じています。京本さんは、お会いする前、クールな方だと想像していたけれど、良い意味で想像と違って、気さくな方で、トマトの漬物の話をしたりします。真摯に役作りをして作品に向き合っていて、でも、空き時間に話すと等身大のところが見えたりして、人として尊敬できる方です」

 初めてヒロインを演じたのは20歳の頃。それから6年の時が流れて26歳になった。

 「19、20歳から26歳までの間は、この仕事に限らず、本当にいろんな経験をします。私も、仕事でもプライベートでも、自分の考え方や価値観が変わったし、物事を俯瞰して見られるようにもなりました。一花ちゃんは19歳なのに大人びた部分もあるので、今の自分を当てはめられることもあればいいな、と思います」

 音楽活動の方では、昨年5月に「君は天然色」(大瀧詠一さんの楽曲のカバー)を配信リリース。今年11月には、アコースティックサウンドを詰め込んだ6曲入りEP「まばたき」を発売する。

 「私は元々、自分で全部作って歌うということをしたかったんですけど、人が作ったものを歌ったり人の力を借りて作ったりすることが柔軟にできるようになりました。演技をして行く上でも、自分がこう演じたいということではなく、みなさんが作るものの中で役割を担うという考え方が以前より楽しんでできるようになった気がします」

 今回のドラマで藤原の新たな魅力が引き出されるに違いない。

 「みなさんに今まで見せたことのない姿を見せてしまうかもしれません」

 そう語って可憐にほほえんだ。

 ◆牧 元一(まき・もとかず) 編集局総合コンテンツ部専門委員。テレビやラジオ、映画、音楽などを担当。

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