大越健介氏「報ステ」メインキャスター 「政権との対立姿勢辞さない番組にマッチ」

[ 2021年7月10日 05:30 ]

大越健介氏
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 NHK「ニュースウオッチ9」の元キャスターで、先月末に定年のため退局した大越健介氏(59)が、10月からテレビ朝日「報道ステーション」(月~金曜後9・54)で月~木曜のメインキャスターに就任することが9日、発表された。

 同局は「ニュースを迅速、正確、分かりやすく、という従来の番組のコンセプトに加え、大越さんが長年培ってきた第一線のジャーナリストとしての豊富な経験を生かし、より深い視点・洞察を持った番組作りを行っていく」と説明。NHK退局からわずか9日での電光石火の発表に「コメンテーターとして招へいするという噂はあったけど、まさかメインに据えるとは」(テレ朝関係者)と驚きの声も上がっている。

 大越氏は「報道ステーションの責任ある一員として仕事ができることを、心から光栄に思っています」とコメント。「日々のニュースに神経を研ぎ澄まし、取材を深め、平たい言葉で伝えることを心がけていきます」と抱負を述べた。

 大越氏は政治部記者を経て、2010年から「ニュースウオッチ9」のキャスターに就任。現場での人望も厚く「東大野球部出身で体育会系。仕事は厳しく、オフは人懐っこいおじさん。取材の鬼として知られていた」(NHK関係者)という。公正中立を原則とするNHKにあって、特定秘密保護法や原発再稼働への疑問など、政権への独自の見解をさしはさむ“モノ言うキャスター”と呼ばれた。当時の安倍政権に批判的だったこともあり、15年の番組降板時には、官邸の不興を買ったことによる更迭を疑う声も上がった。

 テレ朝関係者は「政権との対立姿勢も辞さない報ステの報道姿勢とぴったりマッチする。定年退職を前に、テレ朝の上層部が水面下で接触していたという話もある」とした。

 別の関係者によると現在キャスターを務めるフリーの徳永有美アナ(45)、テレ朝の小木逸平アナ(47)、富川悠太アナ(44)、森川夕貴アナ(27)は全員番組に残留する。知名度と発信力を兼ね備えた大越氏を中心に、報ステはさらなるパワーアップを期す。

 ◇大越 健介(おおこし・けんすけ)1961年(昭36)8月25日生まれ、新潟県出身の59歳。新潟高から東大に進学し、野球部のエースとして活躍。東京六大学野球で通算50試合に登板し8勝を挙げた。85年に入局したNHKでは、初任の岡山放送局など地方勤務を経て報道局政治部に配属。自民党を担当し当時の橋本龍太郎首相らを取材。以後はワシントン支局長などを歴任。出演番組は「サンデースポーツ」「NHKスペシャル」など。

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2021年7月10日のニュース