大野将平「美しい日本柔道」で五輪連覇へ 阿部詩は最強のライバル撃破で悲願の金狙う

[ 2021年7月10日 10:00 ]

東京五輪で金メダルへ。最強のライバルを倒して悲願の金を狙う阿部詩と、「美しい日本柔道」を貫き五輪連覇を目指す大野将平(C)TBS
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 東京五輪柔道代表の男子73キロ級・大野将平(29=旭化成)と女子52キロ級・阿部詩(20=日体大)が10日放送のTBS「バース・デイ」(土曜後5・00)に出演。2週間後に行われる東京五輪で金メダル候補として注目を集める2人に迫った。

 柔道代表で唯一五輪2連覇に挑む大野は「正しく組んで、正しく投げる」という美しい日本の柔道にこだわる。現在、世界の柔道は勝利を優先したポイント稼ぎや、力任せの投げ技が“主流”となり「柔よく剛を制す」の精神とはほど遠くなってしまった。

 「1人ぐらい時代に逆らって観客の方をアッと言わせる、古き良き時代の日本の柔道を畳の上で表現したい」

 自身の美学を貫く構え。東京五輪に向けて大野は、各国の代表選手が集まる国際合宿で最重量級で五輪2連覇中のフランスの英雄・リネールと乱取りを行った。170センチ73キロの大野は、204センチで体重は倍近い139キロもあるリネールから背負い投げで一本を奪った。また19年の世界選手権では6試合全てを一本勝ちで優勝するなど、「美しい日本柔道」に磨きをかけて東京五輪に挑む。

 女子52キロ級代表の阿部も「一本勝ち」にこだわりを持つ。必殺の投げ技は「袖釣り込み腰」。相手の袖を釣り上げ、弧を描くように投げる技だ。身長158センチから繰り出す必殺の投げ技で18、19年の世界選手権を2連覇。金メダル最有力候補と見られる阿部だが、最強のライバルが存在する。

 それはフランスのブシャール。2年前のグランドスラム大阪で阿部は準決勝まで全て一本勝ちで、外国人選手相手に48連勝と無双状態だった。迎えた決勝戦では過去4戦4勝とライバルとして視界にも入っていなかったブシャール。だが、ブシャールは阿部の「袖釣り込み腰」を徹底的に研究して封じた。延長戦までもつれ込んだ試合は、ブシャールが肩車で技ありを奪い決着。まさかの敗戦に阿部は涙を流した。試合後に

 「今までと一緒の感覚でやっててはいけない。神様からの試練だと思って前に進んでいきたい」

 と、ブシャールとの対戦を何度も見返して敗因を分析。そして6カ月後のグランドスラム・デュッセルドルフ大会の決勝で見事ブシャールに雪辱。現在、国際大会13連勝と再び無双状態に入った。それから1年5カ月、2人はお互いをけん制し合い、直接対決はない。敗戦の悔しさ、涙を糧に成長した阿部は日本柔道初の52キロ級での金メダル獲得へ、避けては通れぬ強敵を東京五輪で迎え撃つ準備はできている。

 2週間後に迫る東京五輪。2人の戦いに目が離せない。
 試合後に阿部は

 「神様からの試練だと思って前に進んでいきたい」

 と、固く誓った。涙の敗戦から6カ月後のグランドスラム・デュッセルドルフ大会の決勝ではブシャールに雪辱。悔しさが阿部をさらに強くさせ、現在、国際大会13連勝と再び無双状態に入った。それから1年5カ月、2人はお互いをけん制し合い、直接対決はしていない。阿部は日本柔道初の52キロ級での金メダル獲得へ、避けては通れぬ強敵を東京五輪で迎え撃つ準備はできている。

 2週間後に迫る東京五輪。2人の戦いに目が離せない。

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