美山加恋 40周年の「ピーターパン」ウェンディ役、フライング「気持ちいい」新演出に「成長出来たら」

[ 2021年7月10日 06:30 ]

ミュージカル「ピーターパン」にウェンディ役で出演する美山加恋
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 1981年の日本初演から40周年を迎えるミュージカル「ピーターパン」(22日開幕、東京・めぐろパーシモンホール)にウェンディ役として出演する美山加恋(24)が作品に懸ける思いを語った。

 昨年公演およびキャスト発表後にコロナ禍により中止となり、今回2年ぶりの上演となる。美山は「やっとできるといううれしさもあるし、(感染に)気をつけなくちゃいけないという緊張感もあるので不思議な感じ」と上演の喜びも感じつつ、細心の注意を払って稽古に取り組んでいる。

 1年待って演じることに「去年できなかった分のエネルギーを今年ぶつけていることに注げられること自体はすごくうれしいこと」と話し、役への取り組みはコロナ前後で変わることはなく「来てもらっている人に100%以上楽しんでもらえる熱量は持っていたい」と決意を示す。

 ピーターパンとともに夢の国ネバーランドへ冒険の旅に出るウェンディ演じる美山自身一番楽しみにしているというのが、大きな見せ場でもあるフライングシーン。ウェンディ、ジョン、マイケルの3姉弟が息を合わせて飛ぶが「みんな最初は怖がっていたけど楽しめた。めちゃくちゃ気持ちいいです」と、グルグル回るジェットコースターなどは苦手なタイプとしながらも、このフライングに関しては全く問題ないようだ。

 今回は演出に文化庁芸術祭優秀賞、読売演劇大賞など受賞の森新太郎氏を迎え、これまでにない「ピーターパン」をつくっていく。美山は、同じシーンを何度も演じさまざまな表現を繰り出しているといい「森さんのアイデアで自分の引き出しが増えていくのを感じてすごく楽しいです」と、演じる楽しさを実感。自身がこれまで見てきた「ピーターパン」とは異なり、「森さんの演出はイメージしていたもののパターンとどれとも違う。思ってもいなかったものが出てきたりしている。森さんのもとで成長出来たらなと思います」とさらなる飛躍を期している。近づく開幕に向けて「劇場に来て、皆さんネバーランドへ一緒に行きましょう」と呼び掛けて締めくくった。

 東京公演は8月1日まで。ほか相模原など4都市で公演予定。
 
 ▽ストーリー あるところに、いつまでも子どものままの男の子が1人いた。いたずら好きで、やんちゃでちょっぴり意地悪で、そして空を飛べるその子の名前はピーターパン(吉柳咲良)。ある日の夜、ピーターパンはダーリング夫妻(小西遼生、瀬戸カトリーヌ)の家に“あるもの”を取りに忍び込む。そこでダーリング夫妻の子供たち、ウェンディ(美山加恋)、ジョン(津山晄士朗)、マイケル(遠藤希子、君塚瑠華のダブルキャスト)と友達になったピーターパンは3人を連れて夢の国ネバーランドへと飛び立つ。ウェンディはネバーランドで出会った迷子たちの“お母さん”になり、タイガー・リリー(宮澤佐江)率いる森の住人たちとも仲良くなった。ウェンディたちは楽しい時を過ごしながらも、いつしか家が恋しくなり、迷子たちも連れてロンドンの家に戻ることに。ところが、フック船長(小西遼生=2役)率いる海賊たちが待ち構え、ウェンディたちを捕らえてしまう。全員で海賊との激しい戦いの末、ピーターパンとの最後の別れを惜しむウェンディたち。ウェンディは彼に「春の大掃除の季節にはきっと迎えに来てね。」と願う。時がたち、約束を果たしにピーターパンがやってくるが…。

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2021年7月10日のニュース