“コミュ力モンスター”神木隆之介の共演者への気遣いに感心させられた瞬間

[ 2021年7月10日 08:30 ]

「100日間生きたワニ」初日舞台挨拶に出席した神木隆之介
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 昨年、ツイッター上で大ヒットした4コマ漫画「100日後に死ぬワニ」(作きくちゆうき)をアニメ映画化した「100日間生きたワニ」が9日、全国公開された。心優しいワニと仲間達の何気ない日常を描いた漫画は、コロナ禍を生きる人々の癒やしとなり、大きなムーブメントとなった。

 今作で主人公のワニ役の声優を演じたのは、俳優の神木隆之介(28)。先月20日に行われたイベントで、神木の優しい人柄に感心せずにはいられない場面があった。

 この日は、モグラ役の声を演じた、「ドラえもん」のジャイアン役として知られる木村昴の31歳の誕生日をサプライズで祝福。ステージ袖からバースデーケーキが登場すると、知らされていなかった木村は「マジで!」と大喜びした。

 その壇上を率先して盛り上げたのが神木だった。「ケーキの前に立って写真を撮ろう」と言うと、木村を舞台中央に呼び寄せ、予定になかった木村単独のフォトセッションを敢行。「目線はあっちのカメラに」と司会者のごとく振る舞った。

 さらに、イベント最後に行われた登壇者全員での写真撮影時にも、神木が動いた。撮影時の立ち位置は主人公を演じる神木が中央、木村が端だった。ただ、バースデーケーキの前に神木が立つ形になるため、あまりに不自然だった。

 すると神木は、写真撮影が終わるタイミングで、「じゃ、今度はこっちで」と言って木村に中央の立ち位置を譲った。自分は端に移り、ケーキの前に立つ木村を祝福する構図になった。報道陣に配られた進行台本にもなかったことで、神木がとっさに判断してのことだった。

 撮影時間が延びたことで、イベント終了も数分後ろ倒しになった。神木は「僕のせいで、すみません」とマイクを通して謝罪した。イベントの時間が押すことは日常茶飯事で、ましてやわずか数分の遅れ。報道陣は誰ひとり気にしていなかったはずだ。そんなことよりも、自然な気遣いを見せる神木にすがすがしささえ感じていた。

 神木は2歳から子役として活動しており、昨年デビュー25周年を迎えた。「子役は大成しない」とよく言われるが、神木は今もドラマに映画に引っ張りだこ。ドラマ関係者は神木について「人懐っこくて、みんなが好きになるタイプ。誰にも嫌われない」という。

 木村とは2006年にドラえもんの映画で共演しており、今作が15年ぶりの共演だった。久々の再会にも「おいっす、昴くん!」とフランクにあいさつして場を和ませたといい、木村は「“コミュニケーションおばけ”というか、“コミュ力モンスター”」と表現していた。

 確かな演技力はもちろんのこと、自然に気遣いができる人間性も神木が愛される理由。優しい性格のワニ役は、まさに適役だった。(記者コラム)

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2021年7月10日のニュース