第71期王将戦1次予選開幕 10月プロ入りの古賀悠聖四段デビュー戦飾る

[ 2020年12月10日 19:01 ]

デビュー戦となる第71期王将戦1次予選で島本亮五段(右)に勝利した古賀悠聖四段(記者撮影)
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 将棋の第71期王将戦(スポーツニッポン新聞社、毎日新聞社主催)(本社主催)の1次予選が10日、大阪・関西将棋会館で開幕した。

 渡辺明王将(36)に永瀬拓矢王座(28)が挑む年第70期は来年1月10日に静岡県掛川市で始まる。これに先立ち、第70期の勝者への挑戦権をかけた戦いがスタートし、10月にプロ入りした古賀悠聖四段(19)が島本亮五段(40)と対局。終盤の寄せ合いで抜け出し、116手でデビュー戦を飾った。

 戦型は振り飛車党・島本の四間飛車。古賀によれば昼食休憩前、予定変更があったという。休憩明けに桂を取り合い、島本の王頭にその桂を打ち付けた66手目辺りから手応えを感じた。

 福岡県出身で2001年元日生まれ。ちょうど61歳年上のレジェンド、加藤一二三・九段(80)と共通点が2つあることを自覚していた。

 「偶然ですが。加藤先生はすごい天才なので」と謙遜しつつ自身も奨励会時代、藤井聡太2冠(18)と「5、6局やって五分くらい」。2011年9月入会の古賀に対し、藤井はちょうど1年後に入った後輩。昇段ペースでは追い付かれて抜かれたが、この間の対局は互角。「早く追いつけるようにしたい」と意気込む。

 同じ10月に、四段に昇段した棋士では伊藤匠(18)、冨田誠也(24)に次いで3番手。古賀は次点2回による昇段のため、順位戦に参加できないフリークラスからの出発となった。

 当面の目標はフリークラスからの卒業。C級2組への昇級条件は複数あり「いいところ取りで30局以上の勝率が6割5分以上」など。フリークラスで四段になって昇級できなかった棋士は折田翔吾(31)を除くと、過去7人で一人もいない。同じ九州勢で長崎県出身の佐々木大地五段(25)はフリークラスを10カ月で昇級したことから「2年以内には抜けたい」と控えめに目標を掲げた。

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2020年12月10日のニュース