宅八郎さん死去 マジックハンドに“森高人形”…強烈キャラでテレビ出演

[ 2020年12月5日 05:30 ]

宅八郎さんの著書「イカす!おたく天国」(本人のブログから)

 1990年代に「オタク」の象徴的存在として一世を風靡(ふうび)した「おたく評論家」の宅八郎(たく・はちろう=本名矢野守啓=やの・もりひろ)さんが8月11日午後10時ごろ、小脳出血のため東京都府中市の病院で死去した。57歳。浜松市出身。葬儀は近親者で行った。鮮烈なキャラクターで、漫画やアニメ、アイドルを中心とするサブカルチャー愛好家を「オタク」として浸透させた。

 宅さんが手にしていた森高人形は世界で一つしかない特注品だった。89年のアルバム「非実力派宣言」で応援熱が頂点に達し、ジャケットに使われた衣装のフィギュアを作った。少なくとも7、8年ほど前までは部屋に保管されていたという。

 自身のブログでは森高に注目した理由について「お恵ちゃん」こと演歌歌手の松山恵子さんの存在があったと説明。松山さんが直径3メートルの巨大スカートをはいて笑顔を振りまく姿に重なったとしていた。

 マジックハンドは独自のオタク心理を表現。2次元キャラに傾倒し実在する3次元の物に触れることができないため持ち歩いているという設定だった。敬愛するスタンリー・キューブリック監督の映画「博士の異常な愛情」の主人公が義手だったことに着想を得た。

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