東京MX“ランボルギーニ問題”企画責任者の男性プロデューサー自殺か 遺体で発見「迷惑かけた」メモ

[ 2020年1月28日 05:30 ]

 東京MXテレビのバラエティー番組「欲望の塊」で優勝者にランボルギーニ社製の超高級車が届いていない問題で、音信不通となっていた番組を企画した責任者でプロデューサーの40代の男性が、福岡市西区で遺体で見つかっていたことが27日、関係者への取材で分かった。現場の状況から自殺を図ったとみられる。

 男性の遺体は、今月24日、同市西区に止められた車内で発見。「ご迷惑をおかけしました」という本人のメモらしきものも見つかった。一部で練炭を燃やした跡があったとの報道もある。

 男性から企画を持ち掛けられ、番組を手掛けた制作会社社長によると、男性と最後に電話で連絡が取れたのは、問題が明るみに出た今月17日。車について「福岡にある。先輩に預けてある。なんとかします」と話していたという。関係者によると音信不通になってからは家族も捜していた。男性の実家は福岡にあるという。

 トラブルとなった番組は2019年1~3月に放送。ホスト20人が出演し、出演者は宣伝料名目で1人当たり約150万円を支払って参加した。複数のゲームで競い合い、優勝者には2000万円相当のスポーツカーが贈られるとされていたが、優勝した男性によると、収録から1年たっても届かず、男性プロデューサーと連絡が取れなくなったという。同番組を巡っては、制作費や出演タレントへのギャラの未払いなども明らかになっている。

 3000万円に上るとみられる出演者から募った金の使い道や行方は分からず、高級車が賞品として実際に用意されていたかなど疑わしい点も多い。男性の死により、真相がこのまま明らかにならない恐れがある。優勝した男性は、本紙の取材に「驚いて気持ちの整理がつかない」と絶句。近日中にMX側から直接詳しい説明を受ける見通しという。

 MXはこの日、男性の死について「現在、事実関係を確認中で対応できません。会見などの予定はありません」とした。番組を巡る調査は進んでおらず、問題発覚後から企画制作は「外部の会社に任せていた」との説明に終始。今後、放送局としての責任が問われることは間違いない。

 【ランボルギーニ問題経過】
 ▼2018年10月 ホストらが専門誌の関係者から番組出演を持ち掛けられる。「150万円の出演料を払えば地上波で3カ月で十数回の露出が見込める」とし、優勝賞品はランボルギーニ社製の高級車と説明
 ▼同12月 収録開始
 ▼2019年1~3月 30分の「欲望の塊」が計12回(午前3時10分~)放送される
 ▼同11月 支払いが先延ばしにされ続け、優勝したホストが男性に車について問い合わせをするが、連絡が取れなくなる
 ▼2020年1月17日 問題が発覚
 ▼同21日 MXがコメントを発表。優勝者に車が渡っていないこと、タレントへの出演料の支払いをしていないことなどを確認したとしたが、男性と連絡が取れないと説明
 ▼同24日 男性とみられる遺体が福岡市内で見つかる

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2020年1月28日のニュース