【ブルーリボン賞】主演男優賞・中井貴一 俳優生活40年目の初受賞「やっとたどり着いた」

[ 2020年1月28日 05:30 ]

ブルーリボン賞主演男優賞に輝き、笑顔の中井貴一
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 東京映画記者会(スポーツニッポン新聞社など在京7紙の映画記者で構成)が選ぶ第62回ブルーリボン賞(19年度)の各賞が27日、決定した。作品賞はローカルの熱気が全国に飛び火し、社会現象となった武内英樹監督(53)の「翔んで埼玉」が射止めた。主演男優賞は「記憶にございません!」の中井貴一(58)、主演女優賞は「コンフィデンスマンJP ロマンス編」の長澤まさみ(32)がそれぞれ選ばれた。

 俳優生活40年目での初受賞。父の佐田啓二さんが1956年公開の「あなた買います」で同賞を受賞しており、中井は「子供の頃から家にトロフィーがあった。デビューから40年かかって、やっと親父の持っているトロフィーにたどり着いた」と感慨深げに語った。

 佐田さんは二枚目俳優として活躍したが、不慮の事故で37歳の若さでこの世を去った。「親父のできなかったことをやるのもうれしい。でも今は、親父のやったことができたことのうれしさが込み上げています」と喜びをかみしめた。

 「記憶にございません!」では支持率2・3%の不人気総理大臣役。聴衆に暴言を吐く“悪人”の姿から、記憶喪失になって周囲や政治と向き合っていく“善人”の姿まで、振り幅のある演技を見せた。

 「設定が既に面白いので、こちらでは面白くしようとせずに、自然に人物を生き抜くということをやりきれた。そこに達成感がありますね」

 コメディー作品での受賞が喜びをさらに増幅させる。「世界的に見てもシリアスな作品の方が賞をもらっている。“コメディーをやっても評価されない”ではなくて、今後の俳優たちのモチベーションになればいいな」と、映画界に笑いの波が広がることを望んだ。 

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