松下奈緒が語る「仕事」への思い 朝ドラヒロインが「転機」 感銘受けた大杉漣さんの素顔

[ 2019年11月15日 07:00 ]

「連続ドラマW 引き抜き屋~ヘッドハンターの流儀~」に主演する松下奈緒
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 女優の松下奈緒(34)がWOWOWで16日にスタートする「連続ドラマW 引き抜き屋 ~ヘッドハンターの流儀~」(土曜後10・00 全5話)に主演する。初のヘッドハンター役に挑戦する松下に、今作への意気込み、自身の「仕事」に対する思いを聞いた。

 松下演じる新米ヘッドハンター・鹿子小穂(かのこ・さほ)を通して、知られざるヘッドハンティングの世界を描くビジネスエンターテインメント。小穂の先輩ヘッドハンター役に内田有紀(43)、小穂が所属するヘッドハンティング会社の社長役に小手伸也(45)、宿敵となる切れ者ヘッドハンター役に渡部篤郎(51)といった実力派キャストが集結し、監督を「劇場版コードブルー ―ドクターヘリ救急救命―」で知られる西浦正記氏が務める。

 松下が同局連続ドラマで主演を務めるのは15年、18年放送の「闇の伴走者」シリーズ以来2度目。今作で挑むヘッドハンターという役柄は「今まで出会ったことがない」と“未知の世界”だったが、「様々なヘッドハンティングのケースがあって、いろいろな感情になれました。小穂はそうした中でもまれながら成長していくキャラクターなので、私も難しく考えずにまっさらな気持ちで吸収しようという気持ちになれましたね。小穂と同じような気持ちでヘッドハンターの世界に入った感覚でした」と振り返る。

 ある企業の優秀な人材を他の企業が引き抜くことを意味するヘッドハンティング。松下に「もし自身がヘッドハンティングされたら?」と質問をぶつけると、迷いのない笑顔で「私はここで満足しているので大丈夫です」と答えが返ってきた。

 「女優という仕事は色々な人になれるし、色々な経験ができるし、私の中ではこんなに贅沢な仕事はないと思っています。フィクションではありますけど、ある時はどこかの店員さんで、ある時は学校の先生で、ある時は誰かの奥さんで…それってすごく楽しいですよね。その分難しさはありますけど、その面白さが続く限りはやめられない職業です」

 “女優はやめられない”。そうした思いが芽生えるきっかけとなったのが、10年放送のNHK朝の連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」。同作でヒロインを務めた松下は「節目となる役に出会えた」と回想する。

 「ヒロインとしてどうあればいいのかを深く考えましたし、デビューして何年か経っていましたけど、これからこの世界でやっていきたいと思えるかを長い撮影期間の間に改めて見つめ直すことができました。そうした中で『大変だけど、この仕事が好きだな』と思えたことは、自分にとって転機になった作品だと思っています」

 同作の撮影現場では「お芝居以外のことでも影響を受けたことが多かった」という。特に、父娘役で共演した故・大杉漣さんの姿が強く脳裏に焼き付いている。

 「大杉さんは誰にでも分け隔てなく優しかったです。さりげなくカッコよくて、かわいくて、包容力があって。すごく温かい人で、みんなが好きになるんですよね。『大杉さんってこんなに優しい人なんだ』って知った時に、私もそうした立ち振る舞いができるようになりたいと思ったんです。大杉さんの姿を近くで見つめられたことは、私にとってすごくいい経験になりましたね」

 今後挑戦してみたい役柄について聞くと「悪い人の役を一度もやったことがないので、やってみたいと思っています。いい意味で、期待を裏切る役に出会いたいですね」と語る松下。「どんな役を頂いてもその役を全うしたいですし、“松下さんにお願いしてよかった”と思ってもらいたいです。そのために鍛えておかないといけないですね」と真摯に仕事と向き合う。これからも女優という「天職」を突き進んでいく。

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