羽ばたけフレッシュマン!今年はどんな逸材が飛び出すか

[ 2019年10月7日 09:00 ]

NHKドラマ「サギデカ」で好演した高杉真宙
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 【佐藤雅昭の芸能楽書き帳】NHK総合で放送された土曜ドラマ「サギデカ」を面白く見た。詐欺グループの“てっぺん”にいる人間に肉薄しようと奔走する警視庁の女性刑事の奮闘を描いた。

 主演の木村文乃(31)をはじめ、香川京子(87)、遠藤憲一(58)、長塚圭史(44)、青木崇高(39)、田中泯(74)ら俳優陣が素晴らしい。ゲストも泉ピン子(72)、伊東四朗(82)、筒井真理子(年齢非公表)と豪華な顔触れがそろい、ドラマに厚みをもたらした。

 この2人の共演もうれしかった。物語のキーマンとなる「かけ子」を演じた高杉真宙(23)と詐欺アジトのリーダー“店長”を演じた玉置玲央(34)だ。ともに毎日映画コンクール・スポニチグランプリ新人賞に輝いている。

 高杉は黒沢清監督の「散歩する侵略者」の演技が評価されて2017年に受賞。玉置は翌18年、佐向大監督の「教誨師」で栄誉に浴している。この作品は故大杉漣さんのプロデュース作でもあった。

 賞をステップに大きく羽ばたいてくれるのは何よりだ。ちなみにスポニチグランプリ新人賞は1983年に設けられ、第1回は「十階のモスキート」の崔洋一監督と、「時をかける少女」の原田知世(51)に授与されて歴史の幕を開けた。

 ここから斉藤由貴、仲村トオル、高嶋政宏、南野陽子、宮沢りえ、阪本順治監督、牧瀬里穂、松岡錠司監督、石田ひかり、竹中直人、池脇千鶴、広末涼子、三谷幸喜、田中麗奈、柴咲コウ、西川美和監督、上野樹里ら、そうそうたる映画人が名前を刻んできた。

 2005年から俳優に限定して授与されるようになり、満島ひかり、染谷将太、東出昌大、三吉彩花、星野源、小松菜奈、野田洋次郎、中条あやみらが選出されている。

 18年に「菊とギロチン」で受賞した木竜麻生(25)もNHK大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺(はなし)~」で1932年のロサンゼルス五輪に出場した競泳選手「松澤初穂」役で出演している。「ケンとカズ」で16年に受賞した毎熊克哉(32)は10月19日から始まるNHK土曜ドラマ「少年寅次郎」(後9・00~全5回)で寅次郎のぐうたらな義理の父親「車平造」を演じている。

 今年もそろそろ候補者の絞り込みが始まる。一度しかもらえない新人賞。どんな大器が栄冠を勝ち取るか、楽しみな季節の到来だ。

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2019年10月7日のニュース