涙の復活!ヤクルト・奥川 ネットの言葉に心痛な時…支えられたのは被災地の地元からの寄せ書きと動画

[ 2024年6月15日 05:30 ]

交流戦   ヤクルト5-3オリックス ( 2024年6月14日    京セラD )

<オ・ヤ(1)>ヒーローインタビューで涙を流す奥川(撮影・北條 貴史)
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 涙の980日ぶり復活勝利だ。ヤクルト・奥川恭伸投手(23)が14日、オリックス戦で5回7安打1失点に抑え、21年10月8日の阪神戦以来の白星を手にした。21年に9勝を挙げ日本一に貢献して以降、故障の連続で1軍登板は22年3月29日の巨人戦以来808日ぶり。プロ通算10勝目となる再出発の白星に男泣きした。

 こらえることができなかった。980日ぶりの復活勝利。ヒーローインタビューで、こみ上げる感情は涙に変わり、奥川の目からあふれた。「この2年という期間の中で…」。何度も顔を覆って、言葉に詰まり「凄く大きな1勝。本当に報われた。歩んできた道が間違いじゃないことを証明したいと思っていた」と絞り出した。

 「投げている最中は本当につらかったけど、それでもそこに立っていることが僕にとっては幸せだった」

 22年3月29日の巨人戦以来808日ぶりのマウンド。極度の緊張に押しつぶされまいと、全身全霊で腕を振った。初回は先頭・広岡をこの日の最速151キロ直球で右飛など、無失点も、その後は何度もピンチを迎えた。4回に杉本にソロを浴びたが、5回7安打1失点。救援陣がリードを守り抜き、待望の勝利を手にした。

 将来のエース候補として2年目の21年に9勝も、その後は故障の連続。先の見えない日々でも応援してくれる故郷・石川の人たちに支えられた。1軍の舞台を離れて以降、ネット上では自身の動向に心ない言葉があふれた。見ようとしなくても、心をえぐるような言葉が目に入ってくる。疑心暗鬼な日々を救ったのが、地元からの温かいエールだった。

 「どの人も良い人に見えなくなってしまっている時期があって。地元でずっと応援してくれている人がいるんだと思えて、支えになりました」

 バイクや自動車などの部品製造メーカー「大同工業」は、22年からスポンサー契約を結んで奥川をサポート。石川県が本社で地域の人たちによる「デジタル寄せ書き」を22年に集めて奥川に届けた。今年1月に小松市で開催予定だった野球教室は、元日に発生した能登半島地震の影響で中止。ただ、参加予定だった子供たちからのメッセージ動画が奥川に届けられた。

 北陸地方は復興に向けた力を必要としている。「今年は石川県の皆さんのために頑張ると決めたシーズンだった」と奥川。立ち上がる勇気をくれた故郷に今度は自分が恩返しする。「これからも勝ちに向けて一生懸命、腕を振りたい」。強い決意が込められた勝利だった。 (重光 晋太郎)

 ▼ヤクルト・高津監督(奥川の復活勝利に)結果が出たというのは非常に大きい。時間がかかったので、その時間がいい時間だったと思える今後にしてほしい。

【奥川復活までの経過】
 ▼22年3月29日 開幕4戦目の巨人戦に先発。4回1失点と好投も右肘痛で無念の緊急降板。その後同年は1、2軍とも登板機会なく終了。
 ▼23年4月18日 イースタン・リーグのロッテ戦で1年ぶりに実戦復帰。1イニングを3者凡退に封じ最速151キロ計測。
 ▼7月4日 2軍施設で練習中にノックを受けていた際に転倒して左足首を骨折。
 ▼24年2月24日 キャンプを2年ぶりに1軍スタートさせ、初日からブルペンに入るなど順調に調整を続けていたが、腰痛を訴えて離脱した。
 ▼4月20日 イースタン・リーグのロッテ戦で実戦に復帰した。1回1安打無失点でわずか7球で抑え込んだ。

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