広島・栗林が通算100セーブ 日本人最速に並ぶ178試合で到達「佐々岡さんや新井さんのおかげ」

[ 2024年5月27日 05:45 ]

セ・リーグ   広島4-2DeNA ( 2024年5月26日    横浜 )

<D・広>通算100セーブを達成した栗林(撮影・島崎 忠彦)
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 広島・栗林良吏投手(27)が26日のDeNA戦(横浜)で通算100セーブに到達した。2点優勢の9回に救援し、1回を無失点。今季2度目の同一カード3連勝に貢献した。登板178試合での到達は、馬原孝浩(ソフトバンク)と並ぶ日本人選手最速となる。

 最後の打者・山本を宝刀フォークで右飛に仕留めると、緊張から解き放たれた栗林は小さく笑みを浮かべ、女房役の石原とガッチリ握手した。登板178試合目での通算100セーブ達成。日本人選手最速で並んだ。

 「佐々岡(真司=前監督)さんや新井さんがいい場面で起用してくれているおかげ。実感はないけど、100回勝てたという部分で凄くうれしいです」

 緊張感を漂わせ、2点優勢の9回に救援。1死後、筒香に右翼線二塁打を許しても冷静だった。本塁に背を向け、ロジンバッグを触って呼吸を整える。続く強打の宮崎も、カウント2―2からの外角フォークでボテボテの投ゴロ。17球目に歓喜の瞬間が待っていた。

 自称“緊張しい”。マウンドでは張り詰めた心を大事にする。「緊張への耐性は変わらない。1年目と同じ」。リラックスとは真逆のヒリヒリしたマインドで挑む勝負。「緊張するからこそ成長したいという意欲や、やり返したい気持ちが湧くと思う」。修羅場で磨いた独自の感性だった。

 打者を圧倒するための必須アイテムはもう一つある。ロジンバッグ。プロ入り直後、打者一人一人の間が凄く長く感じ、相手の間に引き込まれる嫌な感覚を覚えた。ロジンを触るのは「自分の間で投げるため」。この日も1球投げるごとに必ず握り、勝負を挑んだ。

 「家族の支えが一番。家族のために頑張りたいと思う。テレビの前で応援してくれているし、子どもが応援しながら風船を飛ばす動画を送ってくれるので力になっています」

 21年の東京五輪で守護神として金メダル獲得に貢献し、胴上げ投手にもなった横浜スタジアム。妻の沙耶さん(27)と愛娘は「さすがに(移動の)4時間は遠くて来られなかった」ものの、観戦に訪れた両親が見守る中、「思い出深い」舞台で偉業を成し遂げ、感慨はひとしおだ。

 「9回(守護神)のまま野球選手を終えられたらベストですが、そううまくはいかないと思う。一試合でも多くチームに貢献できるよう頑張りたい」

 通過点に過ぎないメモリアル。チームは貯金を今季最多の5として首位・阪神に0・5ゲーム差に肉薄し、最高のムードで28日からの交流戦に臨む。広島が誇る絶対的守護神のサクセスストーリーは、まだ始まったばかりだ。(江尾 卓也)

 《ソフトバンク馬原に並ぶ》栗林(広)が今季14セーブ目で通算100セーブに到達。プロ野球36人目。広島選手の100セーブ以上は永川勝浩165、大野豊138、中崎翔太115、佐々岡真司106に続く5人目。初セーブは21年3月27日の中日戦。178試合目の到達は、08年の馬原孝浩(ソ)に並ぶ日本人最速で全体の5番目のペース。4年目での到達は史上7人目の最速記録。プロ入りから4年目で到達するのは、18年の山崎康晃(D)以来2人目。

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