【阪神・佐藤輝 単独インタビュー(下)】初めて大観衆を前に「新鮮さと懐かしさの両方があります」

[ 2023年3月28日 07:16 ]

阪神・佐藤輝
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 (上)から続く

 ――今季は三塁一本。実戦を重ねて、見えてきた課題は。

 「やっぱり低く構えないとダメかな、と。(体が)固まり過ぎてもダメですし…。三塁は強い打球が多いので、低く構えて、地面にグラブを着けておくところは大事かなと思います。(開幕の)京セラドームの人工芝は特に打球が速いので」

 ――シーズンは長丁場。過去2年、どういう部分が大変だった。

 「1年間安定して結果を残すというのは本当に難しかったです。波というか、調子の悪い時が続くのが過去2年ありました。調子がいい時は打てるけど、悪い時にどうやって頑張るか、が大変です」

 ――観客の入場制限がなくプレーするのは、プロ入り初めて。

 「声出しも解禁されましたし、僕もよくプロ野球を見に行ってたので“戻ってきたな”という感じはあります。小、中学生の頃は甲子園にも結構試合を見に行っていました。選手としては大観衆は初めてですけど、新鮮さと懐かしさの両方があります」

 ――今季は森下が入ってきた。2年前の自分と照らし合わせて、森下の姿はどう映る。

 「打撃でも結果を出しているし、文句はないです。やっていくにつれて、自分のペースはつかんでいけると思いますが、本当にケガをしないこと。ストップをかけるところかどうかは、本人にしか分からないので。僕も1年目、大きいケガこそないですけど、腰が張ったりとかあったので、そういう部分は助言してあげたいですね」

 ○…阪神でシーズン100打点は14年のゴメス(109)以来おらず、日本人選手では10年の新井貴浩(112)、鳥谷敬(104)が最後になる。佐藤輝が入団3年目で達成なら、球団では1949年に2年目の別当薫(126)が達成したのに次ぐスピードになる。

 《編集後記 侍に刺激を受けた24歳は泰然自若》

 激闘の末、世界一に輝いた侍ジャパンの勇姿にも刺激を受けた。佐藤輝も昨秋の強化試合に参戦しており「選ばれたかった」と正直な心境を吐露。合同自主トレの経験があり、準決勝・メキシコ戦で同点3ランを放った吉田の姿も見届け「ああいうふうになりたい。ならないといけない」と言い切った。

 戸郷や大勢(ともに巨人)、今永(DeNA)、高橋宏(中日)らWBCを沸かせた投手陣が、開幕後は同一リーグの難敵となる。「手ごわいのでは?」という安直な質問に対し「WBCに選ばれていない投手でも、いい投手はたくさんいますよ。“投手が誰”というのはあまり考えず、普通にいきます」とサラリ。泰然自若の24歳が、猛虎を“セ界一”へと導いていく。(八木 勇磨)

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