海星・吉田 “広陵のボンズ”真鍋封じた 夏へ手応え「強打者相手に自分のピッチングを貫けた」

[ 2023年3月28日 05:20 ]

第95回選抜高校野球大会第8日・3回戦   海星2―3広陵 ( 2023年3月27日    甲子園 )

<広陵・海星>7回、味方のエラーも絡み、勝ち越しを許した海星・吉田(左)と田川(撮影・平嶋 理子)
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 3回戦3試合が行われた。海星(長崎)は優勝候補の広陵(広島)と対戦し、2―3で敗れた。先発した吉田翔投手(3年)が緩急を使った投球で6回2/3、3失点と好投したが、打線があと一本出なかった。光(山口)は山梨学院に1―7で敗れた。

 自己最速はわずか131キロ。140キロ以上を投げる相手エースの高尾響とは対照的だったが、海星の吉田は強打の広陵打線を翻弄(ほんろう)した。6回2/33失点。チームは競り負けたが、「強打者相手に自分のピッチングを貫けたことは良かったと思いました」と話した。

 相手はドラフト上位候補の真鍋慧らを筆頭とする強力打線。捕手で主将の田川一心とは「打たれる覚悟で投げ込むこと。(緩急を使った)自分のピッチングは忘れないこと」を事前に確認した。4回までは2安打投球。注目の真鍋に対してもチェンジアップを効果的に2の0、1四球と仕事をさせなかった。痛かったのは5回、7回は下位打線からチャンスをつくられ失点したこと。7回は二塁手のトンネル(記録は失策)が決勝点になる不運もあった。「球数を投げさせられるとスピードが落ちてきた。それは今後の課題にしていきたい」と話した。

 反省を生かした投球だった。20日の2回戦では先発して7回1失点と好投。ただ、4四死球だった。今大会に出場する投手の与四死球率ベスト10では3位(38回2/3で7個。1・63)の制球力を誇るだけに、試合までの期間で「3球で2ストライクに追い込む」ことを意識して微調整。この日の四球は1と持ち味を発揮した。田川は「今までで一番良かった」と言えば、加藤慶二監督は「100点以上の投球」と称えた。

 チームは2回に吉田の適時打などで2点を先制したが、尻上がりに調子を上げた相手エースの高尾を打ち崩せなかった。長崎に戻ってからは3季連続出場への挑戦が始まる。吉田は「緩急は通用すると分かった。真っすぐのスピードを上げていきたい。平均して130キロを出せるように」と誓った。投球術に磨きをかけて、また戻ってくる。(杉浦 友樹)

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2023年3月28日のニュース