日本ハム・大海 天井スレスレの超スローカーブ!WBCでも「投げると思う」

[ 2023年2月9日 06:00 ]

ブルペンでスローカーブを投げる伊藤(撮影・高橋 茂夫)
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 今キャンプ4度目のブルペン。日本ハム・伊藤は15球目を投じる前、約5メートル頭上のアーチ状の天井を見上げ、少しだけ不安そうな表情を浮かべた。直後に投じたのは、その天井に届きそうなほど大きな弧を描いた「超スローカーブ」。首脳陣、関係者らを驚かせた。

 「(WBCで)ひらめいたタイミングで投げると思います。こういうボールを投げるのはあまりいない。見せ球として使うのは大いにあり得るかな」

 制球は難しいが、打者の目線やタイミングを大きく外せる同球種はシーズン中も投じることがあった。この日はWBC使用球で今キャンプで初披露。侍ジャパンの一員として出場する3月のWBCでも投げるつもりだ。球速は90キロ以下で「(山なり具合が)年々、高くなっている」と言う。投げる直前に天井を見たのは当たるかどうかを確認したからだ。

 調整の意味合いもある。体全体を使って一定のリリースポイントで投げなければ曲がりが少なく、ストライクが入らないため「バロメーターじゃないけど、あれがしっかり制球できる時は体のメカニック的に良く投げられている時」と分析する。28球のうち4球連続で投げ、最後の4球目にストライクとなったが「1球目でできるように」と意識は高い。

 自身の今季初実戦となる、9日の韓国サムスンとの練習試合(名護)で救援で1回を投げ、14日の楽天との練習試合(金武)も登板予定。「戦いは始まっているという気持ち」と本気モードで、名称については「考えておきます」と言う。この「天井ボール(仮称)」が、WBCの舞台でも話題を呼ぶことは間違いない。(田中 健人)

 ≪米国でも話題≫米野球ファンの間で「ピッチングニンジャ」として有名な投球分析家のロブ・フリードマン氏は、4日に伊藤の超スローカーブと、カージナルス・ヒックスの105マイル(約169キロ)の速球の動画を並べてツイッターに投稿。17万回以上再生されるなど、米国でも話題を呼んでいる。米国では超スローボールを「Eephus pitch(イーファス・ピッチ=大した意味のないボール)」と呼び、愛好家も多い。

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2023年2月9日のニュース