選抜初出場の彦根総合・宮崎監督が甲子園に残した一つの悔い「すべてやり切ろう、と決めてます」

[ 2023年2月9日 16:13 ]

選抜出場が決まり、ガッツポーズで喜ぶ彦根総合・宮崎裕也監督(撮影・椎名 航)
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 第95回記念選抜高等学校野球大会は3月18日、開幕する。彦根総合(滋賀)にとっては、春夏通じて初となる甲子園。ただ、宮崎裕也監督(61)は北大津を率いて6度、聖地を経験しており、待望のカムバックだ。夢舞台に臨む「湖国の名将」が胸に秘めた「ある決意」とは。スポニチチャンネルの動画と合わせ、注目の初出場校を紹介する。 彦根総合の動画はこちら

 宮崎監督の中で、甲子園の記憶はあるシーンで時間が止まっている。北大津時代に出場した2012年夏の1回戦。滝川二(兵庫)に1点リードされた9回裏、2死から安打で走者が一塁に出た。ここで一つの可能性が頭をよぎる。

 「盗塁のサイン出して、2死二塁で勝負って思ったんです。でも、(サインを)出し切れんかった…」

 チャンス拡大の期待と、盗塁失敗でゲームセットの恐怖心が天秤で上下している間に、次打者は中飛で試合終了。指揮官の心の戦いはゲームセットの瞬間から始まった。

 「あの場面でサインを出しきれんかったことの後悔が、後からどんどん大きくなって…。そのとき初めて学んだのが、スクイズ出して外されたり、何かをやって失敗したことはすぐに忘れるんですけど、やろうかな、と思ってやらずに終わった時の後悔の方が時間とともに大きくなるもんだな、と。だから、今度、甲子園に行ったら、やり残したことがないように、すべてやり切ろう、と決めてます」

 甲子園の采配は、一つの教訓を得た、その試合以来、11年ぶり。長いブランクを経て、新天地で再びタクトを振る決断をしたのも、今度こそ「完全燃焼」するためかもしれない。
 

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2023年2月9日のニュース