ソフトB・リチャード 進塁打に苦戦…長谷川コーチの優しい言葉に涙腺崩壊

[ 2023年2月9日 08:00 ]

長谷川コーチ(左)から指導を受け涙するリチャード(撮影・中村 達也)
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 泣くな、男だ、リチャード――。ソフトバンクは宮崎キャンプ第2クール2日目の8日、初のチーム打撃を行った。打撃マシン相手に走者一塁でエンドランを仕掛ける練習で、選手はフライを打ち上げるなど凡ミスを連発。中でもリチャード内野手(23)はスタンドインなど長打を連発し首脳陣から注意され、号泣した。悔し涙を雪辱する実戦形式、初のシート打撃は9日に行われる。

 今春初のチーム打撃練習。大粒の涙を胸のユニホームで拭き続けた。右腕でもしばらく拭った。リチャードは自身の進塁打に納得できずに泣きじゃくった。

 「自分のことを、しっかりとしようとしましたけど良くはなかったです。仕事をできるようにしていきます」

 自分に言い聞かせたが、グラウンドではあえてしからず失敗をなだめる長谷川打撃コーチの優しい言葉に涙腺が崩れた。

 相手は打撃マシン。直球のみ。指示は走者一塁でのヒットエンドランで、セカンドを狙って転がすこと。理解しても意識の徹底が足りなかった。

 右の大砲は、なぜか初球を見逃した。試合ならば走者はアウト。次の球は右中間スタンドに放物線を描いた。右翼ポールまでの罰走を強いられた。

 最終打者もリチャード。藤本監督から「もう一丁!」と言われること2回。ゴロでOKのところを捕球されたら併殺打となる強烈なライナー。3度目で右翼前へと転がした。指揮官は「ただ何とか右(方向)に打とうと。それは右打ち。転がせよと。意識がリチャードの課題」。打線全体でもミスが目立った。

 打者が送りバントの指示で球を転がせない、送れない。ヒットエンドランでフライを上げる。ファウルになる。「あのマシン、いい投手ですね」と指揮官の口からは皮肉も出た。昨季から掲げる「1点を取る野球」。走者三塁でゴロを転がしてのギャンブルスタートも企画したいのだが、これではサインは出しにくい。首をかしげて、言った。

 「楽天はうまいけど、うちはうまい人が少ない。パ・リーグのいい投手から、なかなか1点は取れないからね」と、楽天の左打者が走者一塁で得意とする一塁線に引っ張るエンドランも引き合いに出し、野手全体に反省を促した。第2クール最終日のきょう9日には、初の実戦形式となるシート打撃がある。リチャードの顔のしずくは乾いていた。全員でヒゲの指揮官を見返す。(井上 満夫)

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2023年2月9日のニュース