オリ・由伸「凄くいい直球投げられた」 新フォームでもう出た156キロ WBCへ順調

[ 2023年2月9日 07:00 ]

実戦形式の打撃練習に登板したオリックス・山本
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 オリックス・山本由伸投手(24)が8日、左足を低く速く踏み出す新フォームで今春初めて打者と対戦し、早くも最速156キロを計測した。宮崎キャンプ第2クール2日目に実戦形式の打撃練習(ライブBP)に登板。計30球で安打性2本に抑えて6度の空振りを奪い、侍ジャパンの一員として出場する3月のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に向けても順調な調整ぶりを示した。

 事前に球種を告げても打者は差し込まれ、バットは空を切った。イニング区切りを想定して15球を2セット。安打性2本、空振り6球、ボール6球で上々の試運転を終え、山本は充実の表情で手応えを言葉にした。

 「1セット目は多少力みがあって。球速は出ても伸びが少し欠けていた。2セット目に入って、ちょうどいい力感を見つけて、凄くいい直球が投げられた。ずっと伸びのある直球にこだわって練習してきた。1回目にしては凄く良かった」

 特に注目を集めたのは新フォームでは初めての打者との対戦だったからだ。ノーワインドアップでスッと立ち、クイック投法のように左足を低く速く踏み出して投げる。ムダなものをすべてそぎ落とした究極にシンプルな動きに力感はない。それでも直球はうなりを上げた。

 球速は2月上旬にして自己最速まで3キロに迫る156キロを計測した。それも単発ではなく4球も。1セット目に対戦した太田には3球続いた156キロの2球目を右中間席まで運ばれたが、2セット目は3年目の来田、2年目の池田を圧倒し、若い2人の打球は一度もフェアゾーンには飛ばなかった。

 直球だけではない。滑りやすいといわれるWBC使用球で変化球も自在に操った。カーブ、カットボール、フォークを計11球。明らかにボールになったのは1セット目の頓宮に対してカーブが抜けた1球だけ。他は低めに集めた。

 実戦形式では初めてコンビを組んだ捕手の森もミット越しに凄みを実感した。「(球が)強かった。自分が受けてきた中では、この時期で言ったら一番じゃないですか。速いですし、速くて伸びるって感じですね」。野口も「真っすぐは速かったし、変化球もスゴかった。最初はタイミングも取りづらかった」と打者目線で新フォームの利点を証言した。

 今後は14日の紅白戦を経て17日から侍ジャパンの宮崎合宿に合流。先発を予想される1次ラウンド4戦目のオーストラリア戦(3月12日)へ階段を一つ上がった。「しっかりコンディションを整えつつ、練習もして。充実、満足のいく一日を過ごしたい」。最高の仕上げでWBCへ。世界を驚かせる準備は整いつつある。(中澤 智晴)

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2023年2月9日のニュース