辻発彦氏 ソフトバンク・近藤の打撃スタイルの変化に注目 柳田の前で打線に厚み

[ 2023年2月9日 05:30 ]

打撃練習を行う近藤(撮影・中村 達也)
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 【辻発彦が見た「新しい景色」】スポニチ本紙評論家に就任した辻発彦氏(64)が、宮崎の春季キャンプを巡る「新しい景色」。ソフトバンクの宮崎キャンプを視察し注目したのは、日本ハムからFA加入した近藤健介外野手(29)だ。強力打線にさらに厚みをもたらす近藤の技術を、3月のWBCでも欠かせない存在と分析した。

 昨年までは対戦相手として見てきた近藤。ここ2、3年で打撃が変わってきた、と感じる部分があった。出塁率の高い打者だが、粘って四球を取るという感じから、初球から打ってきたり少し変化してきていた。

 実際、本人に聞くと「去年、一昨年くらいから、粘って四球とか塁に出るところが一番、というところから打つことを考えるようになった」と返ってきた。ただ、強いソフトバンク打線に加わったことで、近藤がその打線をさらにグレードアップさせるか。そのためにどういう働きをするかが楽しみだ。

 技術的に言えばミート力の高さが一番。まずは体がブレない。そして、バットのヘッドが絶対に遠回りせず、内側から出てくる形が崩れない。ヘッドが後ろに残れば、ファウルで逃げることもできる。それによって出塁率が上がる。この日もしっかり振って右翼、中堅方向に強い打球を打っていた。今の時期は「しっかり振る」ことを考えて取り組んでいるのだろう。ケースに応じた打撃は、体ができてからで十分。反対方向にはいつでも打てる技術がある。

 藤本監督は「柳田が4番なら3番。3番なら2番」と柳田の前を任せたいと話していた。DHで柳田、近藤を併用すれば疲労も抑えていける。侍ジャパンでは外野の専門は4人で3人がメジャーリーガーだが、必ず近藤の力が必要になる。国際大会は初対戦の投手が相手で、近藤の高い対応能力は大きな戦力。出塁率が高く、打者を還す打撃もできる。どの打順でも任せられると期待している。 (スポニチ本紙評論家)

 ≪柵越え快音連発≫近藤は柳田と同組でフリー打撃を行い、快音を連発。柳田に負けない右翼への柵越え、中堅への鋭い打球を見せるなど、順調な調整ぶりをアピールした。辻氏との会話では、練習量が多いというソフトバンクでの初めてのキャンプに「ヤバいです、しんどいです」と答える場面もあったが徐々に慣れつつある。藤本監督が「若い選手のお手本になる、教材のよう」と評した打撃を含めて新天地に新たな風を運んでいる。

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