巨人・中田が打つ打つ打~つ18点口火!長嶋さん元気づける先制打&「サイクル本塁打」締め2ラン

[ 2022年9月8日 05:30 ]

セ・リーグ   巨人18―3DeNA ( 2022年9月7日    東京D )

<巨・D>6回、2ランを放ち、ナインに迎えられる中田(撮影・光山 貴大) 
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 巨人は7日、今季最多の23安打で18得点を挙げる猛攻で大勝した。4番・中田翔内野手(33)が初回に先制の中前適時打を放つと、6回には18号2ランを放ち、ソロ、3ラン、満塁弾との「サイクル本塁打」を球団では15年ぶりに完成させた。中田が昨季途中の移籍以来、何度も直接指導を受けた長嶋茂雄終身名誉監督(86)が緊急入院した翌日に、バットでチームを引っ張った。

 中田は日頃から感謝の言葉を口にする。常に気にかけてくれる長嶋終身名誉監督について「僕からしたら雲の上のような存在。そういった方に毎回気にかけてもらっていることはありがたいこと。本当に身が引き締まる思い」と言う。不振で2軍調整中の6月に川崎市のジャイアンツ球場で直接指導を受けた。マンツーマン指導は2年連続だった。

 チームメートへの暴力行為による出場停止処分を受け、日本ハムから巨人に移籍した当初から、多くの激励をもらった。移籍後初スタメンとなった昨年8月22日の試合前。長嶋氏と対面し「いろいろあるけどね、応援したいから来たの」と言葉をもらった。その試合で移籍初安打となる2ラン。バックネット裏の球団ブースで観戦した長嶋氏は、窓を叩いて大喜びした。今季も6月23日、7月6日と観戦に訪れた長嶋氏の前で本塁打。「長嶋さんに教えてもらえた、関われたというのは自分の野球人生の中で財産」と言う。

 恩師を元気づける猛打だった。長嶋氏は6日に緊急入院。中田は一夜明け、3安打3打点と大暴れした。初回2死二塁では、アドバイスを受けて始めた、短く持ったバットで先制の中前適時打。「追い込まれていたのでコンタクトすることを意識した」と今季最多の23安打で18得点を奪った打線の火付け役となった。6回には持ち味の豪快なスイングで左翼席上段まで運ぶ18号2ラン。「完璧に捉えられることができた」と胸を張った。

 長嶋氏に打撃指導を受けた後には「アドバイスしてくれたことをしっかりと頭に叩き込んで、その中で試行錯誤して自分なりのスタイルで」と話していた中田らしい豪打による恩返し。7月18日のヤクルト戦以来の2桁得点のチームをけん引した。漆黒ユニホームで初勝利。CS進出に向けた巻き返しへ勢いのつく白星となった。

 原監督は長嶋氏について「“いい方向に来られてるな”と思っていた矢先にね。こういう一報が入ったんですけれど。とにかく回復を願う、祈る、というところ」と語った。中田の2ランで、ソロ、2ラン、3ラン、満塁と15年ぶりのサイクル本塁打での大勝が、何よりの良薬となるはずだ。(小野寺 大)

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