“広陵のボンズ”真鍋 4元号勝利導く3安打1打点、一発お預けも「勝つのが最優先」 

[ 2022年3月21日 05:30 ]

第94回選抜高校野球大会第2日第1試合・1回戦   広陵9―0敦賀気比 ( 2022年3月20日    甲子園 )

<広陵・敦賀気比>5回無死一、三塁、真鍋は左犠飛を放つ(撮影・大森 寛明)
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 昨秋の中国大会覇者で明治神宮大会準優勝の広陵(広島)が敦賀気比(福井)との1回戦に9―0で快勝した。2年生四天王の一角で「4番・一塁」の真鍋慧が3安打1打点と活躍。史上3校目の4元号勝利と、中井哲之監督の歴代単独12位に浮上する春夏通算34勝目に花を添え、03年以来4度目の選抜Vへ好発進を決めた。

 期待にたがわぬ聖地デビューだった。真鍋がチーム最多タイの3安打で大勝に貢献。昨夏の甲子園でも投打の軸だった相手エースの上加世田頼希を見事に攻略した。

 「インコースの真っすぐ、スライダーを柔軟に対応できた。初回のチャンスで打てなかったので、悔しい気持ちを次の打席で切り替えてできました」

 初回1死三塁の好機では三邪飛に倒れた。高校通算11本塁打の長打力が持ち味だが、3安打はいずれも走者を一塁に置いた場面で中堅から右翼への単打で好機を拡大した。5回無死一、三塁では左犠飛を放ち聖地初打点。豪快な本塁打こそ飛び出さなかったが「チームが勝つのが最優先。打線のつながりがあって、守備でもエラーがなくていい流れで試合ができたので良かったです」と笑顔で振り返った。

 5歳の頃、19年夏に広島商で甲子園に出場した4歳上の兄・駿(たけと=現法大野球部)と遊んでいるときに、高いところから負けじと飛び降りて右肘を骨折。プレーに支障はないが、今でも目に見えてわかるほど右腕を伸ばしても曲がっているのは、兄に対するライバル心の象徴だ。同じ広島商に入学すれば小学校の先輩は多くいたが、あえていない広陵を選んだ。「兄を超えたい」という一心だった。

 8強入りをかけて戦う九州国際大付との2回戦では、同じ2年生四天王の一角、佐倉侠史朗との“スラッガー対決”が実現する。同世代には意地でも負けられない。1回戦で2人が挙げた1打点がともに左犠飛というのは、偶然か必然か。真鍋は「佐倉がホームランを打つ前に打ってやろうと思います」とアーチを予告。豪快な一打で粉砕するまでだ。(北野 将市)

 ◇真鍋 慧(まなべ・けいた)2005年(平17)6月17日生まれ、広島県出身の16歳。小1からソフトボールを始め、瀬野川東中では安芸リトルシニアに所属。広陵では1年夏からベンチ入りしレギュラー。50メートル走6秒3、遠投105メートル。1メートル89、91キロ。右投げ左打ち。

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