阪神・糸井 レギュラー奪回へ超人が新たな挑戦 「足の親指トレ」で完全復活期す

[ 2022年1月9日 05:30 ]

※自主トレを行う阪神・糸井(提供写真)
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 阪神・糸井嘉男外野手(40)が「超人」復活を期す今オフ、「足の親指」を強化していることが8日、判明した。一昨年シーズンで激痛に苦しめられた右膝の治療を同年オフに受け、完治に導いてくれた大教大の特任助教・橋本恒氏(48)と二人三脚で指の力を強化し、パフォーマンス向上につなげるトレーニングを敢行中。レギュラー奪回へ、超人が新たな挑戦に取り組んでいる。

 一昨年シーズン、激痛に苦しめられた右膝はすでに完治した。完全体になった糸井のトレーニングは次のステージに移行していた。輝きを取り戻すために、41歳シーズンに向かう糸井が新たなチャレンジで肉体に磨きをかけている。

 一昨年のシーズンオフに右膝治療を託し完治に導いてくれた橋本恒氏のトレーニング指導のもと、昨季終了直後から“足の親指トレ”に着手。特に母指球を意識した体幹メニューで、さらなる進化を目指している。同氏の指導では母指球にゴムチューブを着け、ダンベルやウオーターバッグなどの重りを持った状態から捻転動作を行う運動など、親指に注力した8~10種類のメニューに取り組む。

 「結構、きついですね」

 一見、地味な動きの繰り返し。だが筋骨隆々の「超人」糸井が歯を食いしばりながらメニューを消化する。親指が地面から離れないようにすることで筋膜連結の作用が働き、足首から、ふくらはぎにかけての後脛骨(こうけいこつ)筋、膝窩(しっか)筋、内転筋、大腰筋も鍛えられ、下半身強化につながる。それが打撃に生きる。踏み込む足の親指を強化することで、踏み込んだ際、外に逃げがちな力を逃げにくくする(体の開きを抑える)効果が期待できる。その結果、体の軸も安定し、確実性や飛距離向上につながっていく。

 糸井をサポートしている橋本氏は「糸井さんは親指の力も強いです。今は膝も全く問題ないですし、一昨年(の右膝治療時は)1カ月かけて、ようやくできたメニューも初日からできるようになっていた。今は何の制限もなくやれています」と肉体の万全ぶりに太鼓判。ここに親指強化効果が加われば、さらなる進化が見込める。

 親指トレと並行し、右膝リハビリの時から継続しているプール・トレーニングも行っている。20秒(30メートル)泳いで20秒休憩のメニューを20セット。クタクタになりながら「体力が付くわ」と自らの体をいじめ抜いている。

 昨季は77試合の出場のうち先発わずか15試合と悔しい結果に終わったが、心も体もまだまだ元気だ。「超人」復活へ、じっくり、着実に牙を研いでいく。(長谷川 凡記)

 ◇橋本 恒(はしもと・ひさし)1973年(昭48)3月11日生まれ、岡山県出身の48歳。サンフランシスコ大在学中にインターンでMLBのジャイアンツにてアシスタントトレーナーを3年間経験。その後、NATA―BOC認定資格を取得し、01年~03年にかけては広島でアスレチックトレーナーを務めた。現在は大教大教育学部・教育協動学科のスポーツ科学部門の特任助教で、しばはら整形外科スポーツ関節クリニックのトレーナーも務めている。

 ○…糸井は7日夜に自身のSNSを更新し、巨人・中島と内野練習を行ったことを報告した。「ナカジに内野おしえてもらった」というメッセージとともにファーストミットを着けてノックを受ける動画が投稿された。昨年11月にはSNSを通して一塁挑戦に意欲を見せていたが、オリックス時代に同僚だった中島との合同自主トレで、本格的に一塁練習に着手した。

 <プロ野球選手のユニークトレーニング>

 ★テニスサーブ 山川(西)が21年に実施。右手だけでバットを持ち、トスされたボールを上から叩きつける。上体が早く開くクセを解消。

 ★ハンマー 山本(オ)が20年から実施。ハンマー投げのハンマーに似た器具を、横歩きに合わせてゴルフスイングのような動作から円運動を繰り返す。体重移動を意識づける。

 ★極小ボール 江越(神)が19年に実施。約3メートルの距離から投げられたピンポン球サイズのスポンジボールとプラスチックボールをバッティング。遊び感覚でミート率向上を図る。

 ★サングラス 楽天野手陣が18年に実施。フラッシュ機能の付いたサングラスを装着してゴムボールでキャッチボール。ボールを見づらくして動体視力を鍛える。

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2022年1月9日のニュース