オリ・杉本 400%増の7000万円で更改 来季へ「数字は設定せず、レギュラーで1年間出たい」

[ 2021年12月17日 05:30 ]

契約更改を終え大幅アップにくす玉を手に昇天ポーズを決めるオリックス・杉本(撮影・後藤 正志)
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 オリックス・杉本裕太郎外野手(30)が16日、大阪・舞洲の球団施設で交渉し、5600万円増の年俸7000万円で契約を更改した。400%増は球団歴代4位に並び、野手ではイチロー(現マリナーズ球団会長付特別補佐兼インストラクター)が210安打(当時プロ野球記録)した94年オフの900%増に次いで2番目。初めて本塁打王、ベストナインに輝き、25年ぶりのリーグ優勝への貢献度が認められた。

 大幅昇給に喜びのあまり、杉本は会見場でも“おなじみのポーズ”を披露した。

 「上がり過ぎて、昇天しながらハンコを押しました!自分が思っていたより値段が高かった。ニコニコで判を押しました」

 今季年俸1400万円から7000万円への大幅増に本塁打を打った際にベンチ前で右手を突き上げる「昇天ポーズ」のように右拳を高々と掲げ、喜びを爆発。「我が契約更改に一片の悔いなし」。尊敬してやまない、ラオウの名せりふを引用し、大満足の更改となった。

 134試合に出場し、打率・301、32本塁打、83打点。本塁打王もベストナインも6年目で初めてだ。「飛ばすことより、どうやったら率が残せるか。本塁打を狙わなくしてから本塁打が増えた」と確実性を求めたことが好成績につながったと自己分析した。

 崖っぷちからのブレークだった。15年ドラフト10位で入団し、過去5年で本塁打はわずか9本。社会人出身で下位指名…。毎年、オフは戦力外通告の電話におびえる日々を過ごしていた。「今年は(電話を)特に気にすることなく。過去5年間、なかなか1軍で結果が出せなかったけど、契約してくれていた球団には感謝」と初めて経験する“暖冬”に一息ついた。

 華々しい活躍で「ラオウ」の愛称とともに知名度が急上昇しても、「まだ1年出ただけ」と浮かれはない。「数字は意識し過ぎたら力んでしまう。今年、あまり力まないようにと思って良い感じだったので、数字は設定せず、レギュラーで1年間出たい」。リーグ覇者の4番は地に足を付け、来季をしっかり見据えていた。

 【ラオウに聞く】

 ――昇給分で買いたいものは。
 「特に今欲しいものはないので、パンケーキとかクレープとか食べに行こうかな、と」

 ――改めて優勝の実感は。
 「ありがたいことにテレビ出演のオファーをたくさんいただいているので、出られるうちに出ておきたい。今年はオリックスの名前を売るためにも頑張ります」

 ――ビッグボスこと日本ハム・新庄監督ともテレビ番組で共演した。
 「僕は楽しく野球をするのが好きなので、敵チームの監督だけど対戦するの楽しみです」

 ――自主トレの予定は。
 「いつも通り広島で山岡たちとやります」

 《ドラフト10位以下から大出世》杉本(オ)が年俸7000万円で契約を更改。ドラフト10位以下で入団した選手が年俸7000万円以上になったのは、98年ヤクルトで7300万円だった田畑一也(91年ダイエー10位)、11~15年にオリックス、楽天で1億5000万円だった後藤光尊(01年オリックス10巡目)に次いで3人目。なお、ドラフト外では秋山幸二(西)や石井琢朗(横浜)、育成ドラフト出身では山口鉄也(巨)、千賀、甲斐(ソ)らが1億円プレーヤーになっている。

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