広島・田中広輔「見ての通り情けない」現状維持で更改、来季巻き返しへ「もう一回泥んこになって」

[ 2021年12月17日 05:30 ]

現状維持でサインし2年契約の2年目となる来季に名誉挽回を誓う田中広
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 広島・田中広輔内野手(32)が16日、広島市内の球団事務所で交渉し、現状維持の年俸1億5000万円プラス出来高で2年契約最終年の来季へ契約を更改した。開幕遊撃を任されながら打率・206の不振で、小園に定位置を奪われた。来季は遊撃だけでなく今季途中から挑戦する三塁起用も視野に入れて、泥臭く先発奪取に挑む決意を示した。 

 来季の契約を更新して、年俸に見合う成績ではなかったことを改めて痛感した。田中広は、19年8月に手術した右膝を完治させて2年契約の1年目を迎えた。与えられた完全復活のチャンスを手放して今季を終えることとなった。

 「今年は本当に体の調子が良くて元気に動けていた。見ての通り情けない。野球人生でこんなに苦しいことはなかった」

 開幕戦は「1番・遊撃」。打撃不振で4月下旬には小園に遊撃を譲った。以降は途中出場を続けながら復調を模索。打率・206と不振のまま10月上旬には降格し、出場81試合、28安打など自己ワーストの数字が並んだ。

 ただし、2軍暮らしに逆襲へのヒントがあった。若ゴイに交じって「みやざきフェニックス・リーグ」や秋季練習に参加。東出コーチらの指導で打撃を見直すと同時に、若手のハツラツさを目にして気持ちを新たにした。

 「若い子が一生懸命やっている姿を見て、もう一回泥臭くやらないといけないなと思った。練習とか準備をやってきた自負はあるが、そういったところ(も必要)かなと思う。好きな野球を職業にしているので、もう一回その心を持って、もう少しグラウンドで笑えたらいいな…と思う」

 若手のように泥臭く先発争いに挑む覚悟はできている。6月から三塁に挑戦したことで起用の幅は広がった。遊撃手としての誇りは持ちつつも、三塁起用も視野に入れて来春への準備を進めていく。

 「それ(遊撃への思い)はもちろんありますけど、若い子がどんどん出てくる世界。みなさんの期待をいい意味で裏切りたい。個人成績というよりかはチームが少しでも良くなるように頑張りたい。そのためには、まだまだ仕事をしないといけないと思っている」

 遊撃の小園、三塁の林らに勝てるのは、経験や実績だけではないとの自負がある。もう一度、がむしゃらに定位置を奪いに行く。(河合 洋介)

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