広島 またも“秋山の壁” 龍馬弾だけ…ノーノー阻止がやっと 佐々岡監督「対策ができていない」

[ 2021年9月12日 05:30 ]

セ・リーグ   広島1-4阪神 ( 2021年9月11日    マツダ )

<広・神>7回2死、西川は秋山から右越えにソロ本塁打を放つ(撮影・奥 調)
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 また“天敵”に抑えられた。広島は11日の阪神戦で3安打1得点と打線が沈黙した。相手先発の秋山に対し7回の西川のソロで無安打投球を阻止するのが精いっぱい。今季7戦で5勝を献上し、苦手意識は強まるばかりだ。先発・高橋昂也投手(22)は、無失点で迎えた6回にマルテに決勝3ランを被弾して一発に泣いた。

 苦手意識だけでは、片付けられない。秋山に対して7回2死から西川がソロを打つまで無安打1死球。球速以上に球威を感じさせる直球の切れに対応できず、秋山が奪った21アウトのうちフライアウトが12個を数えた。佐々岡監督は「こういう結果が出れば、対策ができていないということ」と振り返った。つまりは、完敗だった。

 攻略に向けた姿勢は見えた。制球自慢で四球を期待できないと見込み、2ストライクまでに1度もスイングしなかった打者はいなかった。朝山打撃コーチも「四球で乱れる投手ではない。若いカウントから仕掛けることは当たり前」と説明。しかし安打が出なければ、早打ちは相手をリズムに乗せるのを手助けするだけだった。7回80球にまとめられ、過去7度の対戦の中で1イニングあたりの球数は最少。軽快に投げられた。

 苦戦した要因の1つが、80球中32球を占めた直球にある。同打撃コーチは「不思議な真っすぐ」と呼ぶ。理由は「スピンが利くときと利かずに沈むときがある」。ナインには、球をつぶす意識で低い打球を打つように指示した。しかし12個の凡飛のうち、直球を打ったのが7個を数えたように奏功しなかった。

 先発野手で今季、秋山から唯一無安打の林(8打数0安打)は、「狙い球をなかなか絞れない。捉えたと思って振っても結果的には打ち損じている」と首をかしげる。この日唯一安打を放った西川も「球速以上に感じる切れと制球力がある」と認める。佐々岡監督は「直球と変化球の投球フォームが同じで打ちづらい。だからこそ2桁勝てる」と言う。その10勝のうち半数5勝を広島が献上しているのが何とも悩ましい。

 12日の巨人戦には、中4日で菅野が先発する。朝山打撃コーチは「良い準備をして集中してやっていきたい」と見据えた。8月26日の前回対戦では3発6得点で黒星をつけた相手だ。“天敵”のことは一度忘れて、難敵攻略への切り替えが求められる。(河合 洋介)

 《龍馬 2年ぶり2桁アーチ》西川が秋山の“ノーノー”を阻止した。無安打で迎えた0―3の7回2死無走者。カウント1―1からの秋山のカットボールを右翼ポール際に運ぶ10号ソロとした。「感触は良かった。もう少し早めに打てれば良かったけど、何とか3打席目に捉えられたのは良かった」。2桁本塁打は自己最多16発を放った19年以来2年ぶり。「もう少し打率が上がればいいんですけど…」と同・274からの上昇を見据えた。

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