エンゼルス・大谷 リアル二刀流不敗神話止まった…4回途中6失点で2敗目 103年ぶり偉業お預け

[ 2021年9月12日 02:30 ]

ア・リーグ   エンゼルス5ー10アストロズ ( 2021年9月10日    ヒューストン )

<アストロズ・エンゼルス>3回に逆転を許し悔しさをにじませる大谷(撮影・沢田 明徳)
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 神話が崩れた。エンゼルスの大谷翔平投手(27)が10日(日本時間11日)、アストロズ戦に「2番・投手」で先発し、4回途中9安打6失点で今季2敗目(9勝)を喫した。自身の連勝は8で止まり、DHを解除した「リアル二刀流」出場で日本ハム時代から続いていた連勝も16で止まった。打席では初回、リーグ2位に2本差をつける44号ソロを放ったが、103年ぶりの「2桁勝利&2桁本塁打」到達は次戦以降に持ち越された。 

 大谷は冷静に受け止めていた。4―3の4回1死二、三塁。アルテューベにスライダーを捉えられ、同点の左前適時打とされると、交代を告げにマウンドに訪れるジョー・マドン監督の姿が見えた。

 「内容自体もそんなに良くはなかった。打ち取っているような打球でも(内野手の間を)抜けたり、ちょっとついていないなと思った。あそこらへんが“代え時”なのかなと個人的にも思う」

 直球は最速98.7マイル(約159キロ)をマークしたが、スライダーを狙われた。2点リードの3回に4安打3失点。両リーグトップのチーム打率.269を誇るアストロズ打線に4回も痛打された。77球を投げて空振りは2つ。メジャー自己ワーストの被安打9に「(相手打者は)全体的にスライダーとかカット狙いのケアが多かった。それを修正する前に、走者がたまってしまった」。救援投手も打たれ、3回1/3を6失点。5月28日以来、105日ぶりの黒星となる2敗目を喫した。

 バットでは初回に44号ソロ。ペレス(ロイヤルズ)、ゲレロ(ブルージェイズ)に2本差をつけた一方で、残り2打席は四球で勝負を避けられた。自身を援護できず、DH解除の「リアル二刀流」での不敗神話は16で止まった。残り21試合。先発登板はあと3回の見込みで、順当ならアストロズ相手にも投げる。1918年のベーブ・ルース以来、103年ぶりの「2桁勝利&2桁本塁打」達成へ難敵が立ちはだかる。

 チームはプレーオフ進出が絶望的。来季を見据えた起用法や戦い方も余儀なくされる中で、大谷は「個人的には目の前の一勝も、もちろん大事」と力を込めた。あと1勝に迫る歴史的な偉業に加え、本塁打王争いも自身のモチベーション。ペレス、ゲレロの本塁打数は日々チェックしており、「もちろん(本塁打王を)獲りたい。個人的には意識しながらやりたいなと思っている。その中で一打席一打席、冷静に打てれば、必ずいい結果が残る」と言った。

 その重圧も疲労も、大谷にしか分かり得ない孤独な戦い。日米の注目を浴びながら、自らを奮い立たせ、最後まで駆け抜ける。(柳原 直之)

 ≪投打同時出場 16年日本ハム時代から16連勝≫大谷は日本ハム時代に9試合(CS2試合を含む)、DHを解除しての投打同時出場を果たし、投手では7勝0敗1セーブ、防御率0.16。日本での最終登板は「4番・投手」として2安打10奪三振で完封勝利を挙げ、打っても1安打。メジャー移籍後も過去16試合で9勝0敗だったが、初黒星を喫した。

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