日本ハム打線歴史的爆発!前身・東映時代以来55年ぶり初回11点&続く2回も打者一巡

[ 2021年9月12日 05:30 ]

パ・リーグ   日本ハム17-5ソフトバンク ( 2021年9月11日    札幌D )

<日・ソ>大勝しポーズする(左から)王柏融と西川(撮影・高橋 茂夫)
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 ど派手な一発はなくとも、つなぎにつないだ。過去3試合で4得点の日本ハム打線が、目覚めた。初回、打者15人の猛攻で11得点。12年以来3度目の、1イニング最多得点の球団タイ記録だった。

 初回1死満塁から王柏融(ワン・ボーロン)が先制の2点二塁打。2死一、二塁で回ってきた第2打席でも2点二塁打で11点目を叩き出した。9日が28歳の誕生日。1イニングで4打点の荒稼ぎに「みんながつくってくれたチャンス。絶対に還そうと思って打席に入った」と胸を張った。

 無死一塁の第1打席は遊ゴロも、2死満塁の第2打席で走者一掃の3点三塁打を放った西川は「一人で1イニングに2回アウトにならんでよかった。ちょっと成長しているということで」とおどけた。前回1イニング11得点した12年8月21日のオリックス戦では「2番・三塁」で先発も、3打席連続三振で先発野手では唯一、無安打。11得点した5回の猛攻の際には、既に途中交代してベンチに座っていた。王柏融、西川ともにプロ最多の5打点を挙げた。

 初回に限れば球団では1966年以来55年ぶりの歴史的猛攻。札幌ドームでは守備に就く際、直前の攻撃で打点を挙げた選手に拍手が送られるが、5人が打点を挙げた後の2回は、しばらく拍手が鳴りやまなかった。

 同じ石川相手に7回1/3を0点に封じられ、0―3で敗れた8月13日は、試合時間が2時間37分。うち、攻撃時間は9イニングでわずか37分間だったが、この日の初回だけで40分を費やした。2回も打者一巡で5得点するなど、今季両リーグ最多の17得点。17―0で勝利した08年10月1日の楽天戦以来13年ぶりの17得点となった。

 昨年9月から札幌ドームで10連敗を喫していたソフトバンク相手に、先発全員得点で快勝。「これだけたくさん点が入ると、絶対に勝たないといけないと思っていた。よかった」と栗山監督も胸をなで下ろした。(東尾 洋樹)

 ≪12年は5回に11点≫日本ハムが初回に11得点を奪い今季両リーグ最多の17得点。1イニング最多得点は09年ロッテの15(6月11日広島戦の6回)だが、日本ハムでは66年8月20日東京戦の初回(当時東映)、12年8月21日オリックス戦の5回の各11得点に並ぶ最多記録になった。また、初回の11得点は前記の通りチームでは55年ぶり2度目。球界全体では98年ヤクルトの13(4月22日中日戦)、36年タイガースの12(4月30日名古屋戦)に次ぐ3番目の記録だ。一方、打たれた石川(ソ)は2/3回で10失点。初回だけで2桁失点は、18年7月31日日本ハム戦の石川(ロ=10失点)以来史上5人目で球団初。

 ▼張本勲氏(66年の初回11点の際の4番打者。本紙評論家)そんなことがあったんだねえ。11点なんて珍しい。よく覚えてはいないが、当時の東京球場は狭くて、投手泣かせのスタジアムだった。乱打戦が多く、私自身も相性がいい球場というイメージがあったよ。非常に懐かしいメンバー。ドン・ジマーはのちのヤンキースのコーチで、真面目なタイプの選手だった。ラーカーは非常に気が短い男だったけど、左打者でね。一塁の守備が抜群にうまかったことを覚えている。

 ▽1966年東映の初回11得点VTR 無死一、三塁から毒島の中前打で先制。白、ジマーの連続適時打で4―0とし、相手先発の成田をKOした。救援の辻野に対しても種茂が右前打、投手・田中がスクイズ、青野が初回2安打目となる適時打。さらに、張本、ラーカーも適時二塁打を放ち打者15人、8安打の猛攻で11点を奪った。その際、東京球場のスコアボードには初回9点と表示されるハプニング。「機械故障のため」と場内に放送されたが、実は9点までしか表示できなかったのが原因。結局1点を点灯させ、横に白ペンキで1を書き添える即席の11で対処するなど、想定外の猛攻だった。試合は14―5で大勝。

 ▽1966年(昭41)の世相 5月15日に日本テレビ系の演芸番組「笑点」が放送開始。6月29日には英国のロックバンド・ビートルズが来日。即席麺の「サッポロ一番」「チャルメラ」が発売され集英社「週刊プレイボーイ」が創刊した。4月に日産自動車が「サニー」、10月にトヨタ自動車が「カローラ」を発表した。

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2021年9月12日のニュース