巨人激震!スモーク退団へ コロナ余波で家族来日できず…帰国決断、ここまで34試合7本塁打

[ 2021年6月17日 05:31 ]

ジャスティン・スモーク内野手
Photo By スポニチ

 巨人のジャスティン・スモーク内野手(34)が近日中に米国に帰国することが16日、分かった。そのまま退団する見通し。メジャー通算196本塁打で今季も34試合で7本塁打を放っていたが、コロナ禍でビザ発給が困難なことで来日できていない家族と過ごす時間を求めた。18日から7ゲーム差で追う首位・阪神との3連戦(甲子園)を控えるチームに激震が走った。

 コロナ禍が、再び異国で奮闘する外国人選手に大きな影響をもたらした。この日、スモークはジャイアンツ球場で行われた全体練習に参加せず、米国で暮らす家族と過ごす時間を求め近日中に帰国する予定。そのまま自由契約となり、退団する見通しだ。

 今季は球界全体がコロナ余波に見舞われた。開幕以降も多くの新外国人が来日できない状況で、スモークが入国したのは3月29日。2週間の隔離期間後、チームに合流したのは4月13日だった。その後も緊急事態宣言下で自宅近辺でも遠征先でも外出を自粛。慣れない異国で日常生活でもストレスを発散できない困難な状況が続いた。

 入団会見では「12年の(在籍していた)マリナーズの開幕戦以来の日本。家族ともども楽しみにしていた。うれしい」とコメント。クリスティン夫人と2人の娘も日本の生活を楽しみにしていたがビザ発給が見通せない状況が続く。球団と話し合いを行った結果、この日までにチームを離れることを決意した。

 スモークはメジャー通算196発を誇る両打ちの強打者で、オフに年俸300万ドル(当時約3億1000万円)の2年契約を結んだ。ここまで主に5番で34試合に出場し7本塁打。4月28日のヤクルト戦で来日6打席目で早くも初本塁打を放ち、「伝統の一戦2000試合目」だった5月15日の阪神戦では決勝3ランも放つなど打線に不可欠な存在だった。

 スモークと同様にメジャー通算96発と実績抜群のテームズも1軍デビュー戦だった4月27日ヤクルト戦の左翼守備で右アキレス腱を断裂し既に帰国している。入国制限による来日の遅れで急ピッチの調整を強いられたことが故障の一因だった。他球団でもオリックスでは通算49勝のディクソンが、楽天ではメジャー通算25勝のコンリーが、ともに家族と来日できないことを理由に退団している。

 18日からはリーグ戦が再開し、いきなり首位・阪神と甲子園での3連戦。7ゲーム差でこれ以上の独走は許せない状況だが、チーム一丸で乗り越えるしかない。

 ◇ジャスティン・スモーク 1986年12月5日生まれ、米サウスカロライナ州出身の34歳。サウスカロライナ大から08年ドラフト1巡目(全体11番目)指名でレンジャーズ入団。10年4月23日のタイガース戦でメジャーデビュー。マリナーズを経て、17年にはブルージェイズで38本塁打を放って一塁手として球宴に出場した。メジャー通算成績は1286試合で打率・229、196本塁打、570打点。1メートル93、99キロ。左投げ両打ち。今季年俸3億1000万円。

 【コロナの影響で退団した選手】
 ☆アダム・コンリー(楽天) メジャー通算174試合登板の実績があり救援として期待されていたが、家族での来日を希望し、5月6日に契約解除で合意。石井一久GM兼監督は代理人を通じ「家族が来日できる状況ではない」と説明していた。コンリーは球団を通じて「日本の状況がさらに悪化しているのを見て残念ながら日本でプレーするのは最適なタイミングではないと決断した」とコメント。

 ☆ブランドン・ディクソン(オリックス) 家族との来日を希望していたが、ビザの発給が難しく日本でのプレーを断念。球団は5月20日にウエーバー公示申請の手続きを行い、そのまま退団。ディクソンは8年間在籍しただけに、横田昭作国際渉外部長は「長く貢献してくれた選手なので残念ですが、本人の思いを尊重したい」と話した。

続きを表示

この記事のフォト

2021年6月17日のニュース