阪神・岩崎 侍でも「岩瀬の道」!!背番号「13」で初代表「自分の持てる力をすべて出せるように」  

[ 2021年6月17日 05:30 ]

<阪神全体練習>キャッチボールをする阪神・岩崎(撮影・坂田 高浩)
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 東京五輪に出場する侍ジャパンの内定24選手が16日、都内ホテルで発表された。阪神からは岩崎優投手(29)、青柳晃洋投手(27)がともに初めて代表に名を連ね、稲葉篤紀監督(48)から金メダル獲得への貢献を期待された。救援陣の一角を担う岩崎は蓄積疲労から回復し、甲子園球場での全体練習に合流。18日からのリーグ戦再開にも備えた。

 短期決戦でも鉄腕として全力を尽くす決意は変わらない。岩崎が金メダル獲得へフル回転を誓った。

 「選んでもらって、スゴく光栄です。とにかく任されたところで、どこでもしっかり仕事ができたらと思う。金メダルを獲れるように、自分の力を出して貢献できるように頑張っていきたい」

 阪神では4年目の17年から救援転向し、セットアッパーに定着。自己最多の同年66試合を筆頭に粉骨砕身の日々を過ごしてきた。球持ちが良く腕が遅れて出てくるフォームから繰り出す直球は、球速表示以上に威力があり、侍ジャパン・稲葉監督も「初見で対応するのが難しい特殊なサウスポーとして左右関係なく1イニングを任せることができる」とほれ込んだ。最大の武器を世界の舞台で初めて披露する機会が訪れた。

 代表でも今季から付ける背番号13に決定。昨オフの背番号変更の際には、矢野監督からプロ野球記録の通算407セーブを誇る岩瀬仁紀(中日)を「追いかけろ」と背中を押された。アテネ、北京の両大会では岩瀬も背番号13で戦った歴史があり、「自分の持てる力をすべて出せるようにしていけたら」と力を込めた。

 直近5試合は計8失点。4日に登録を外れて蓄積疲労を回復させ、全体練習の再開に合わせて合流した。雨天のため甲子園室内だった練習開始前には選手らから拍手で出迎えられ、笑みがこぼれた。

 「抹消されるまではチームが勝ったり、負けたりだったですけど、札幌、仙台で6連勝してくれて、励まされた」

 不在の間はブルペン陣が苦しい状況でも同僚が奮闘する姿に力をもらった。次は返す番だ。矢野監督が「優(岩崎)が8回でいくというのが基本的な感じだと思う」と明言し、“8回の男”としての帰還も決まった。

 「時間をもらったのでオールスター、オリンピックまでは1点もやらないぐらいの気持ちでやっていきます」

 世界一、そして、セ界一へ――。覚悟は固まった。(長谷川 凡記)

 【岩崎に聞く】
 ――代表初選出が東京五輪。心境は。
 「日本代表の経験がないので、難しいところはありますけれど、いい結果が出るように頑張りたい」

 ――他の代表選手との交流もある。
 「他球団の人と一緒に野球するというのは今までなかった。いろんな話ができたら、自分のためにもなるかなと」

 ――話を聞いてみたい選手は。
 「みんなそれぞれ、いろんな考えを持ってやっていると思うので、自分に取り入れていけるものがあれば…」

 ――救援陣では最年長になる。
 「初めてですし、経験のある人が年下にもたくさんいますし、あまり年齢は考えていない。いい経験ができるようにやっていけたら」

 《恩師・羽根田氏がエール》岩崎の清水東時代の監督・羽根田暢久氏(56=現駿河総合副部長)が「責任感が強く、チームや仲間のためという思いも強い選手。任された役割をしっかり果たしてほしいと思います」とエールを送った。例年は6月19日の誕生日にLINEで祝福と激励。侍ジャパン選出を受けて「前倒し」で送信したところ、さっそく「頑張ります」と返信があったという。同校はメキシコ銅メダルの杉山隆一をはじめ、高原直泰、内田篤人氏らサッカー五輪代表を輩出。野球では初めてだ。

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