侍ジャパン、主将なし“侍五人衆”マー君!坂本!菅野!ヤスアキ!菊池!リーダー指名

[ 2021年6月17日 05:30 ]

五輪日本代表内定選手を発表する稲葉監督(撮影・西尾 大助)
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 東京五輪で金メダルを目指す侍ジャパンに内定した24選手が16日、都内ホテルで発表された。稲葉篤紀監督(48)は従来通りに主将は置かなかったが、各ポジションでリーダーとなる「侍五人衆」に楽天・田中将、巨人・菅野、DeNA・山崎、巨人・坂本、広島・菊池涼を指名。稲葉流で5人を中心にタレント軍団を結束させ、過酷な「東京夏の陣」で世界の頂点を狙う。

 ぶれない姿勢で走り抜く。稲葉監督はこれまで通り主将は置かない方針を示した上で、各ポジションでリーダーの5人を指名した。

 「田中将、菅野両投手には投手陣。山崎投手には救援陣。勇人(坂本)にはキク(菊池涼)とともに野手陣を引っ張ってほしい」

 4年前の就任会見で「一番自分の中で大事にしているのは、チームの和、結束力です」と掲げた。18年の日米野球は内野リーダーに菊池涼、外野リーダーに秋山(現レッズ)を指名し、5勝1敗とMLB選抜を圧倒。19年のプレミア12も松田、大竹らが各ポジションで選手をまとめ、10年ぶりの国際大会優勝につなげた。「比較的選手に近い指揮官」と自らも選手に歩み寄り、各現場の細かな機微は各リーダーと分業でまとめ上げる。オールプロとなったアテネ、北京の両五輪は宮本慎也が主将を務めたが、今回は稲葉流の「侍五人衆」でまとめる。

 巨人で主将も務める坂本は、投手リーダーの田中将とは同じ小学校でバッテリーも組んだ仲で「まさか五輪が東京で行われて、一緒に代表のユニホームを着るとは」と喜ぶ。五人衆の一人に「しゃかりきにはならず、目を配り感じたことは伝えて」と自覚も示した。

 侍守護神を長く務めてきた山崎は栗林、平良の初選出の若い2人とともに抑えの期待も懸かる。ブルペンは他にも青柳、岩崎と初選出が多く、試合中は密室となる空間の頼れる相談役に。「コミュニケーションを取るのは得意なので。国際大会の経験も生かして積極的に」と意気込んだ。

 「勝つために最適な組み合わせだと思う。目標は金メダル。日の丸を背負うことに熱い思いを持つ選手たちの集まり。そこに凄く結束力を感じる」と稲葉監督は力を込めた。侍五人衆が大きな5つの輪としてチームをつなぎ、五輪を制する。(後藤 茂樹)

 ▼広島・菊池涼 五輪は世界中の方が注目する大会。うれしい思いとプレッシャーもある。こういう状況で開催されるので、盛り上がりも十分に必要だと思うし、いいニュースを届けられるように。

 ▽大坂の陣五人衆 1614年(慶長19)と翌15年(同20)の大坂の陣で、豊臣方の中心戦力となった5人のこと。徳川方との決戦で豊臣方について奮戦した長宗我部盛親、真田信繁(幸村)、毛利勝永、明石全登、後藤基次を指す。慶長19年の大坂冬の陣での「真田丸の戦い」での勇猛さは特に有名で、現在も語り継がれている。翌20年の大坂夏の陣では、天王寺口の戦いで真田信繁が徳川家康の本陣に迫った。

 《コーチ5人全員ベンチ入り》コーチ陣は全5人がコーチ登録としてベンチ入りが可能となった。過去の五輪ではベンチ入りが3人に制限され、一、三塁コーチを選手が務めることもあった。今大会は前回大会までとは規定が異なり、稲葉監督は「コーチは全員入れることになったので、全員に入ってもらいます」と歓迎していた。

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