【大学野球】2人の首位打者争い、明大最終戦はドキドキの展開に

[ 2021年5月24日 10:17 ]

16日の「早大・明大」戦で逆転2ラン本塁打を放った陶山勇軌
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 東京六大学野球で珍しい明大から2人の首位打者が誕生しそうだ。春季リーグ戦は23日の明大―立大戦で立大が敗れたため慶大の3季ぶり38度目の優勝が決まった。残るは個人タイトルの行方。注目の首位打者は06年(大引啓次=法、小野寺慶=立)以来の2人同時受賞が濃厚となってきた。しかもチームメートの戦いとなり最終戦(23日)はドキドキの展開となった。

 立大1回戦(22日)が終了した時点で打率トップは陶山勇軌外野手(4年=常総学院)の40打数20安打、打率・500。独走状態だったが、山田陸人内野手(3年=桐光学園)が規定打席数(31)に4足りないながら22打数11安打と同じ5割をマーク。法大戦で足を痛め1回戦を途中交代、2回戦を欠場したため打席不足に陥っていた。他チームなら問題は起きないがチームメートだけに頭を悩ますこととなった。

 陶山にも山田にも首位打者のタイトルを獲らせたい。そこで1回戦後の夜、田中武宏監督が当事者2人を呼んだ。そこで「山田は4打席足りないから4打席お前にやるから結果を出せ。陶山は山田の結果を見ながらベンチにいてくれ」との結論に至った。陶山はここまでの9試合、フルイニング出場を果たし大活躍。打点8、5盗塁とリードオフマンとしてチームを引っ張ったから陶山には獲らせたいという思いは強かった。

 明大にとってリーグ最終戦となる立大2回戦。7番が指定席の山田を2番に上げ4打席回す作戦。1打席目=中飛、2打席目=左前打、3打席目=四球、4打席目=三振。ここで規定打席に達したものの3打数1安打で打率は5割を切った。このままなら陶山が首位で終わるところ8回に回ってきた5打席目。立大・宮の初球を左前に運び一塁に小さくガッツポーズを作って走った。4打数2安打で5割ジャスト。陶山を追い越すことなく、図ったように同着で終わった。指揮官は「もし山田が上回ったら陶山を途中から打席に立たせる用意もしていた」と勝負以外に神経を遣っていた。

 山田は「とにかく食らいついていった。集中して打ちました」と5打席を振り返り、ベンチで見守った陶山は「一緒に(首位打者を)獲りたいと思っていたので、同率で終われて本当によかったです」と後輩の健闘を称えた。試合を残す早慶の中で最上位の打率を残す早大・鈴木萌斗(4年=作新学院)は2試合で9打数9安打、慶大・朝日晴人(3年=彦根東)も8打数8安打しなければ5割に届かないという厳しい状況だ。

 指揮官を悩ませ、山田が結果を出し、打席に立たなかった陶山も喜んだ立大2回戦。ちなみに同チーム2人首位打者はリーグ戦で2度しかなく、明大では1952年(渡辺礼次郎、岩崎亘利)以来69年ぶりとなる。

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