オリックス ドラ6・阿部に指名あいさつ、28歳“オールドルーキー”同期高卒らに「無礼講」呼びかけ

[ 2020年11月3日 18:49 ]

バースデーケーキを手に笑顔を見せるオリックスドラフト6位・阿部。右は下山スカウト
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 オリックスからドラフト6位指名を受けた日本生命・阿部翔太投手(28)が3日、大阪府貝塚市の同社貝塚グラウンドで山口和男アマチュアスカウトグループ長らのあいさつを受けた。今ドラフト全体最年長の“オールドルーキー”は同期入団の高卒選手たちに「無礼講」を呼びかけた。

 大卒の社会人6年目。紆余(うよ)曲折を経て、たどり着いたプロの世界に向け、最速151キロ右腕は「即戦力になる。自分の中ではそれしかない」と意気込みを示した。野球をするうえでの不安はない。ただ、ほんの少しだけ不安があるとすれば「ジェネレーション・ギャップ」だ。

 「新人合同自主トレとか、どうなるんでしょう。10歳下なんですよね」

 オリックスは支配下で6選手を指名。1位・山下、2位・元、3位・来田、5位・中川拓と4選手が高卒で、阿部から見れば10学年下にあたる。それだけ世代が違えば、自然と体力も、話題も異なってくる。そこで、考えついたのが「無礼講」のすすめだ。

 「阿部ちゃんでいいですよ。野球界は年齢を重視する部分もありますが、そこは同期入団ということで」

 チーム内を見渡せば、山崎福、福田らと同学年で吉田正の1学年上。「中堅」の域に入る右腕を高卒ルーキーたちが“ちゃん付け”で呼べるかは微妙だが、阿部はチームに溶け込むためには、小さなことは意に介さない。

 歴史に名を残すチャンスもある。この日が28回目の誕生日。28歳での新人王獲得となれば、阪急・熊野輝光(現阪神スカウト)の年長新人王のパ・リーグ記録に並ぶ。

 「チームの事だけを考えてやってきた結果が、プロにつながった。だからプロでもその考えはブレることはない。タイトルや結果は、チームのためにやっていって、付いてくるもの」

 勝利のために無心で腕を振り、仕事を終えて振り返った時に栄誉が付いてくるならば、最高だ。

 妻子を伴ってのプロ入り。4歳上の妻・恵未佳さんには「あなたの夢を止めることはしない。もしダメでクビになっても、私が稼ぐ」と力強く背中を押された。担当の下山スカウトは技術的には「制球がいい。高低の間違いがない」と評価。そのうえで最大の持ち味に「気持ちが強い。若い選手が多い中、向かっていく姿勢を見せられる選手。人間性が素晴らしい」と挙げる。頼もしいオールドルーキーが、若く伸びしろ十分なチームに加わる。

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2020年11月3日のニュース