ソフトバンク・工藤監督 退団正式発表の内川にエール「1年でも、1日でも長く」

[ 2020年11月3日 05:30 ]

ソフトバンクの工藤監督
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 ソフトバンクは2日、現役最多の通算2171安打を誇る内川聖一内野手(38)と来季の契約を結ばないと発表した。プロ20年目の今季は1軍への昇格が一度もなく、ポストシーズンも含め、残りの試合にも出場しない。現役続行を希望しており、工藤公康監督(57)は功労者へエールを送った。

 ZOZOマリンスタジアムで行われた投手練習後、工藤監督は退団が決まった内川に対する思いを神妙な面持ちで語った。

 「(1軍に)上げるタイミングをつくれなかったことは僕自身も残念だが、みんなで話し合ってきた結果。監督として最後まで貫かないといけないと思ってやってきたつもり」

 内川は1日のウエスタン・リーグ最終戦後にファンに分かれを告げた。工藤監督はその夜に電話で「ファームでのラストゲームが終わりました」と報告を受けた。就任した15年には主将に指名。内川の打撃技術、野球に対する姿勢に信頼を寄せていたが、今季はついに1軍に昇格させることはなかった。そこには理由があった。

 「チームの方針を戦略的、戦術的に話し合って、故障持ち(の選手)もいる中でユーティリティー(選手)を大事にしながら(2軍から)選手を上げ下げした。みんなで話をしてきた」

 内川は開幕を2軍で迎えたが、2軍戦では42試合で打率・327の成績を残した。しかし、守りでは一塁限定となる内川を1軍に呼ぶ選択には至らなかった。3年ぶりのリーグ制覇を果たすための苦渋の決断だった。

 工藤監督は「個人的には本当にチャンスを与えられなかったことに関しては、本当に申し訳ない思いでいっぱいです」と言葉を続けた。自身も48歳までプレーした指揮官は「僕自身、いろんなところでやってきた経験がある。他に行っても、しっかり頑張って欲しい。一年でも、一日でも長く。内川君なら頑張れる」と惜別のメッセージを送った。

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2020年11月3日のニュース