岸川勝也氏 首位攻防戦の勝負を分けたのは「捕手」 甲斐のキャッチングの甘さと田村の丁寧さ

[ 2020年10月9日 23:23 ]

パ・リーグ   ソフトバンク3―1ロッテ ( 2020年10月9日    ベイベイD )

6回2死二塁、柳田を三振に取りガッツポーズをする田村(撮影・中村 達也)
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 2020年のパ・リーグ優勝を占う大事な首位攻防の第1ラウンドは2位のロッテが首位のソフトバンクに快勝。順位変動はなかったが、ゲーム差がなくなった。スポニチ本紙評論家の岸川勝也氏(55)は、大一番の勝敗を分けた要因の一つに両軍の「捕手」を挙げた。

 ピッチャーを生かすも殺すもキャッチャー次第。それほど重要なポジションの捕手に両軍で差が出た。

 初回だ。ソフトバンクの先発・ムーアが先頭・藤原に内野安打を許し、次打者から押し出し四球を含む3連続四死球。あっさりと先制を許した。

 ムーアは直球に力があり、調子自体は悪くなかった。ただ、球審のボール1個分のストライク、ボールの判定に泣いた印象だ。そこには甲斐のキャッチングの甘さが影響していた。左投手・ムーアのクロスする球、つまり左打者ならアウトコース、右打者ならインコースへの球を捕球する際に、ボールをしっかり抑え込めずにミットが三塁側へと流れていた。もっと左肩を入れるようにして止められていれば、ジャッジにいい影響を与えていたはずだ。

 一方でロッテ・田村は丁寧さがプレーに出ていた。初回、キーマンとなる柳田を見逃し三振に抑えた場面。右の二木のクロスして入ってくる内角直球に対して、ミットをしっかりと止めていた。打者の懐を攻める二木の投球をキャッチングの技術で生かしていた。

 甲斐は初回に許した2点目にも絡んだ。三ゴロでの松田宣からの送球を捕球ミス。おそらく、一塁転送での併殺を狙っていたのだろう。転送する際に軸足となる右足でホームベースに触塁し、左足はファウルグラウンドに出ていた。そのため送球が走者と重なり、捕球を難しくした。細かなプレーが点に結びついた初回の攻防が、勝敗に大きく影響した。

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2020年10月9日のニュース