悪夢の2試合連続KO マー君、契約延長に暗雲 地元紙「ヤ軍でのキャリアは残酷な形で終わったかも」

[ 2020年10月9日 02:30 ]

ア・リーグ地区シリーズ第3戦   ヤンキース4―8レイズ ( 2020年10月7日    サンディエゴ )

<ヤンキース・レイズ>5回途中で降板し、ベンチで頭を抱える田中(右端)
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 ヤンキースの田中将大投手(31)が7日(日本時間8日)、レイズとのア・リーグ地区シリーズ第3戦に先発。4回0/3を5失点で敗戦投手になり、1勝2敗でリーグ優勝決定シリーズ進出に王手をかけられた。ポストシーズン(PS)2試合連続KO。今季は7年総額1億5500万ドル(約164億円)の契約最終年だが、大舞台での勝負強さを発揮できず、来季契約延長に暗雲が立ち込めた。

 7年契約の最終年。来季の去就が注目を集めている田中は敗れた試合後、米メディアから「ヤンキースの一員として最後の試合になるかもしれないが、頭をよぎったか」と問われ、「全くなかった。今もないです」と厳しい表情で語った。

 前回9月30日のインディアンスとのワイルドカードシリーズでは強い風雨の悪条件で5回途中6失点。今回は万全のマウンドだったが5回途中5失点と打ち込まれ、PSで2試合連続5失点以上はヤ軍の投手では初の屈辱となった。PSは昨季まで通算防御率1・76と短期決戦での強さが売りだった。だが今季は2試合で同12・38とその強さが影を潜めた。このまま敗退となれば、この日がヤ軍での最終登板の可能性があり、ニューヨーク・ポスト紙は「田中のヤ軍でのキャリアは最も残酷な形で終わったかもしれない」と報じた。

 今季の年俸は2300万ドル(約24億4000万円)。米経済誌フォーブスは2月に右肘じん帯再建手術(通称トミー・ジョン手術)を受けたセベリーノ、ドメスティックバイオレンス(DV)で出場停止処分を受けたヘルマンの両先発右腕が来季復帰することなどに触れた上で、「ヤ軍の来季構想に入っているならば、給与削減を受け入れなければいけないだろう」と指摘した。

 田中は13年オフに楽天からポスティングシステムでヤ軍に移籍。4年目を終えた17年のオフには自らフリーエージェント(FA)となれるオプトアウトの権利を行使せず、残留を決めた。居を構えるニューヨークにも愛着を持っている。チームは8日(日本時間9日)の第4戦で負ければ1勝3敗で地区シリーズ敗退。田中が雪辱の機会を得るためには、2連勝で突破してもらうしかない。

 ≪来期はセベリーノ&ヘルマンら復帰≫今季のヤンキース先発陣は新加入のコール、田中、ハップ、モンゴメリーが中心だった。左腕パクストンは左前腕屈筋の張りで負傷者リスト入りし、5試合の登板にとどまった。来季は18年に19勝を挙げたセベリーノ、昨季18勝のヘルマンの両右腕が復帰予定で、地区シリーズ第2戦に先発したガルシアとシュミットの両新人にも大きな期待がかけられている。

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