西武浮沈のカギ握る若手の「伸びしろ」 辻監督が強調した“常勝チーム”のために必要なこと

[ 2020年1月17日 08:00 ]

西武の辻監督
Photo By スポニチ

 昨年の年末、「第61回輝く!日本レコード大賞」で最優秀新人賞に輝いた、ハロプロのアイドルグループ「BEYOOOOONDS(ビヨーンズ)」。最新アルバムに「伸びしろ~Beyond the World~」(作詞作曲・星部ショウ、編曲・鈴木俊介)という一曲がある。

 「伸びしろ 私には 伸びしろ あるかな?」。デビューから間もないメンバーが、自身の将来の無限の可能性を歌う曲。この「伸びしろ」こそ、プロ野球のファンは選手に求めている。その成長過程を追い続けるのが野球観戦の醍醐味の一つだろう。もちろん、12球団の監督も選手の伸びしろに大いに期待している。

 今季、リーグ3連覇を目指す西武・辻発彦監督。正月、地元・佐賀で行われた後援会のパーティーに参加した。壇上では、後援者を前に「若い投手が経験を積んで一本立ちしてくれれば」と投手陣の整備が最大の課題であると力説。名前を挙げたのが高橋光、今井、松本航、本田…。彼らの「伸びしろ」こそが今季の西武の浮沈のカギを握っているといっていい。

 リーグ連覇を成し遂げた西武だが、チーム防御率が一昨年が4・24、昨年が4・35といずれもリーグ最下位だった。12勝を挙げた優良助っ人ニールを除けば、高橋光が10勝で今井と松本航が7勝、本田が6勝。ここからいかに上積みして、さらに登板イニング数を稼ぎ、かつそれぞれが貯金をつくれるか。「若い投手を一人前にして、(戦力として)確立させるのが常勝チームのためには必要なんだ」。辻監督はそう強調した。

 年が明け、選手は各地で自主トレに汗を流している。2月1日の春季キャンプスタートは目前だ。ファンにとっては、今季のひいきチームの戦いぶりを想像して胸をときめかせる時期だろう。あの投手は何勝ぐらいするだろう、あの選手は本塁打を何本打つかな…。開幕まで、そんな期待を思い巡らせるのが楽しい。

 伸びしろ。激しい練習を行うキャンプはもちろん、選手はシーズン中に試合をこなしながらも大きく、まさにビヨーンと成長する。それを監督も、コーチも、ファンも心待ちにしている。2020年。今年ももうすぐ、球春がやってくる。(記者コラム・鈴木 勝巳)

続きを表示

2020年1月17日のニュース