山口、爆笑ブルージェイズ入団会見 “どすこい”相撲トークで会心の初日

[ 2020年1月17日 05:30 ]

ブルージェイズの入団会見で、ポーズをとる山口俊(ゲッティ=共同)
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 巨人からポスティングシステムでブルージェイズに移籍した山口俊投手(32)が15日(日本時間16日)、本拠地のロジャーズ・センターで入団会見に臨んだ。背番号1のユニホーム姿を初披露。カナダの公用語のフランス語も交えたあいさつや、父・久氏(享年58)が元幕内力士でありながら野球を選んだ話で爆笑をさらい、改めて先発ローテーション入りを目標に掲げた。

 日本、カナダメディア合わせて約50人が集結したロジャーズ・センター。背番号1のユニホーム姿を初披露した山口は冒頭で「ハロー、ボンジュール、こんにちは」とあいさつした。日本語、英語だけでなく、カナダの公用語であるフランス語も交え、会見場は和やかなムードに包まれた。

 つかみはOK。さらに「気温は凄く寒いけど、トロントの人は温かい」と言い、地元メディアのハートをわしづかみだ。対戦したい打者を問われても、ユーモアたっぷり。「僕の中でマーク・マグワイアで止まっている」と笑い、自身が小学生の頃に活躍していた往年の強打者を挙げた。

 クライマックスはここから。大相撲の元幕内力士・谷嵐の故久氏の質問が出たときだ。相撲ではなく、野球を選んだ理由について「失礼かもしれないけど、大人になるにつれ、お尻を出すのが恥ずかしくなった。野球の方がかっこいいなと思って野球の道を選んだ」と明かし、この日一番の爆笑をさらった。

 笑わせるだけではない。球団は先発も救援もできる万能性を評価しているが、昨季のセ・リーグ最多勝右腕は「先発ローテーションの一枠を勝ち取るつもりで2月のキャンプに臨む」と熱く誓い、「僕は大和魂と根性で育ってきた。そこだけは負けない」――。日本人の通訳が大和魂の翻訳で困った顔をしていたのが印象的だった。

 前日にトロント入りし、会見前の午前中に志願して2時間ほどキャッチボールなどで汗を流した。「ボールの滑りが違う。そのへんをどう克服していくか」。テーマは球速アップと滑りやすいメジャー公式球など環境の変化への対応。今週は本拠地で練習し、週末のファンフェスタに参加することも決まった。

 「1という番号を大事にしたかった。日本では高校野球までは1がエース番号」。背番号1を選んだ理由も明かした32歳は「やっと実感が湧いてきた。テンションも最高に上がってきた」と高校時代に戻ったかのように、目を輝かせた。

 《父・久さんは元幕内力士 小学校時代は地元で敵なし》山口は父・久さんに小学時代から相撲の指導を受けて、毎日100回の四股や股割りをこなした。小学1年から6年までは地元・大分県中津市の少年相撲大会に出場し、全て優勝。ただ、力士になりたいと思ったことはなく、小学3年時に友人に誘われた野球の方にのめり込んだ。それでも相撲で下半身を鍛えたことが、投手としての土台を築いた。

 プロ入り後も好きな言葉に「ごっつぁんです」を挙げ、シンカー系の沈む変化球を「どすこいボール」と名付けたこともある。10年に父が肝臓がんで亡くなった際には「おやじの死に報いて頑張るしかない」と感謝し、さらなる飛躍を遂げた。

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